さまざまな定義が存在するビッグデータ。医療・ライフサイエンスのエキスパートは、医療ビッグデータでは5つの「V」が重要になると語る。医療ビッグデータを支えるインフラ基盤を探る。
IT技術が医療やライフサイエンス分野にもたらした恩恵は、大きく2つ挙げられる。1つは「膨大な情報処理が可能になり、より詳細かつ精度の高い研究ができるようになった」こと。もう1つは「X線装置やフローサイトメーター(注)などのライフサイエンス機器のデータを集約し、多角的な研究が可能になった」ことだ。
※注:フローサイトメトリー(細胞分析手法)に用いる測定装置。細胞の浮遊液や懸濁液を細管に通して、細胞数の計測や蛍光、散乱光の測定などを短時間で多量に行う。
その一方で、データ量も増えてビッグデータ化した結果、新たな課題が生まれている。米EMCのIsilonストレージ部門 ライフサイエンス CTO(最高技術責任者)であるサンジェイ・ジョシ氏は、医療ビッグデータの現状や課題を5つのキーワードで説明する。同氏は、ライフサイエンス機器の開発や、ゲノミクスやプロテオミクスの研究などライフサイエンス分野に25年以上従事してきたエキスパートだ。
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