アプリ仮想化/アプリケーション仮想化/App Virtualization/Application Virtualization
アプリ仮想化(アプリケーション仮想化)は、アプリケーションにアクセスするクライアントコンピュータから、アプリケーションのインストールを切り離す技術である。アプリケーション仮想化には、リモートとストリーミングの2種類がある。
リモート仮想化の場合、アプリケーションは、サーバで実行される。エンドユーザーは、リモートディスプレイプロトコルを利用して、ネットワークを介してアプリケーションを表示し、操作する。リモートアプリケーションは、シームレスウィンドウと呼ばれる技術によって完全にユーザーのデスクトップと統合されるため、外観も動作もローカルアプリケーションと変わらない。リモートアプリケーションを実行するサーバベースのオペレーティングシステムインスタンスを他のユーザーと共有することも(ターミナルサービスデスクトップ)、サーバ上にアプリケーションごとのOSインスタンスを作成してアプリケーションを実行することも(VDIデスクトップ)できる。リモートアプリケーションが機能するには、ネットワークへの常時接続を維持する必要がある。
ストリーミングアプリケーションの場合、仮想化されたアプリケーションはエンドユーザーのローカルコンピュータで実行される。アプリケーションを要求すると、コンポーネントがオンデマンドでローカルコンピュータにダウンロードされる。起動に必要なのはアプリケーションの一部のみで、残りのコンポーネントは、必要に応じてバックグラウンドでダウンロードされる。ストリーミングアプリケーションの場合は、完全にダウンロードされると、ネットワーク接続がなくても機能する。複数のモデルと分離レベルがあるおかげで、ストリーミングアプリケーションは他のアプリケーションに干渉せず、終了するときもクリーンに削除できる。
クラウドを利用する真の目的はコスト削減ではなく、オンプレミスではできなかったことをやるため(「クラウド比較は時間の無駄――東急ハンズ 長谷川氏が語るクラウド導入 5つの極意」より抜粋)
どちらのアプリケーション仮想化も、集中管理を行うとよい。アプリケーションのインストール、パッチ適用、アップグレードは環境全体で1回で済み、個々のコンピュータで処理する必要がなくなる。また、個々のユーザーによるアプリケーションのインストールを許可せず、IT部門がアプリケーションをプロビジョニングすることで、ライセンスの処理も簡単になる。
一般的には、アプリケーション仮想化とは、「ネットワーク経由でアクセスしていながら、ユーザーにはローカル環境と何ら変わらないように見せ、ローカル環境にあるかのごとく動作するプログラム」のことだ。アプリケーション仮想化で興味深いのは、しばしばローカル環境にインフラ構築を必要とする点だ。そうしたインフラは通常、「.NET Framework」や「Microsoft Silverlight」など、アプリケーションと同一のプラットフォームを基盤とする。場合によっては、他のサービス(メッセージキューイング、データベース、ネットワークストレージなど)へのリンクとネットワークで接続されていることもある。いずれも、アプリケーションとそのアプリケーションが利用するサービスとの間でリアルタイム通信を必要とするサービスだ。
アプリケーション仮想化は通常、形式的に記述されたパッケージで定義され、多くの場合、何らかのXML表記が用いられる。パッケージには、実行するコード、使用するリソース、提供して起動するリンク、設定情報、アクセスコントロールなどを指定する。バックグラウンドでは、アクセスを許可されたユーザーから有効なリクエストが届いた場合にアプリケーションへのアクセスを提供できるよう、IT部門が管理アプリケーションまたは管理コンソールを使って、各種アクセスコントロールのインストール、設定、プロビジョニング、構築を実行する。
アプリケーション仮想化の本体部分は多くの場合、ファイルや設定データ、サービスなど、エンドユーザーのデスクトップに表示される各種要素と同様、クラウドに置かれる。このおかげで、企業にとっては「管理と制御の一元化」の他にもメリットがある。
OSとアプリケーションを切り離す技術であるアプリケーション仮想化には、さまざまな製品が出回っている。
Citrix XenAppの特徴や機能を解説するとともに、ThinAppとXenAppの違いを明らかにする。
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