Windows 10時代のデスクトップ戦略は「デスクトップを忘れること」Computer Weekly製品導入ガイド

Windows 10へアップグレードするライセンス契約を結ぶ前に、IT資産とデスクトップ戦略を見直すべきだ。ユーザーはもうそれを必要としていないかもしれない。

2015年12月04日 08時00分 公開
[Clive LongbottomComputer Weekly]
Computer Weekly

 「Windows 10」は既に約1億台の端末で稼働している。MicrosoftはWindows 10の無償アップグレードを提供しており、コンシューマーはこの機会にこの新しい、継続的にアップデートが提供されるWindowsに移行しつつある。Microsoftがバージョン番号を付けるのはこのバージョンが最後になる。今後は新機能が定期的に追加され、定例パッチと同時にダウンロードされる。

Computer Weekly日本語版 12月2日号無料ダウンロード

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 企業にとって、これは幾つかの問題を生じさせる。「Windows XP」のサポート終了は大きな話題になった。まだ同OSを使っていると、サポートに掛かる経費が増大し、セキュリティリスクにさらされ、ネイティブの最新ブラウザは利用できない。Windows 7と8を使っている組織にとって、変更に伴うライセンス料(法人向けのWindows 10は無料ではないが、アップグレードに対応したボリュームライセンスでカバーされる)、事業経費(アップグレード作業、ユーザーの再教育、ヘルプデスク担当者の再研修)を掛けるだけの価値はある。

 これはユーザー端末戦略を根本から見直す好機になるだろう。私物端末の業務利用(BYOD)が普及する中で、もはやユーザーが必ずしもWindowsベース端末を主力モバイルアプライアンスとして使っているとは限らない。

 モバイル分野では「iPad」と「Android」タブレットが大きなシェアを確保している。いずれもWindowsアプリケーションをネイティブでは実行できない。Microsoftがタブレット向けにOfficeスイートのネイティブ版をリリースしたとしても、他のWindowsアプリケーションサプライヤーでそこまでするところはほとんどない。

 一部の評論家はかつて、Microsoftが没落して「Linux」がデスクトップOSとして台頭し、フリーOSが市販の商用ソフトウェアに取って代わると予想していた。だがこれはほとんど現実にはならなかった。新しいOSを使うためのサポートスキルとユーザーの再教育、さらには新しいアプリケーションのサポートが必要になるのは、あまり魅力的とはいえない。

 大部分は依然としてWindowsアプリケーションを使っている。その大きな理由の1つは、多くがWindows XPにしがみついていることにある。XPの後、Microsoftはアプリケーションが実行される仕組みを変更した。このためXP向けに開発されたアプリケーションの30%は以降のOSでは直接実行できなくなった。2007年には「Windows Vista」がリリースされ、Vistaに対応していないアプリケーションは今や、いずれも10年以上の古さになる。目的にかなっているのかどうかを徹底検証すべき時に来ている。

デスクトップの目的

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品レビュー グーグル合同会社

重要なエンドポイントを守る、Chromeブラウザを企業向けに安全性を強化する方法

世界中で広く利用されているChromeブラウザは、業務における重要なエンドポイントとなっているため、強固なセキュリティが必要となる。そこでChromeブラウザを起点に、企業が安全にWebへのアクセスポイントを確立する方法を紹介する。

製品資料 グーグル合同会社

Chromeの拡張機能:企業における今求められる管理戦略とは

Google Chromeの拡張機能は生産性の向上に不可欠な機能であり、ユーザーが独自にインストールできる一方、IT管理者を悩ませている。ユーザーデータを保護するためにも、効率的な運用・監視が求められるが、どのように実現すればよいのか。

製品資料 arcserve Japan合同会社

データの保全・保護・復旧を全方位でカバーするバックアップ戦略とは?

データ活用が企業の命運を握る今日にあって、絶対に避けなければならないのがデータの損失だ。本資料では、ビジネスクリティカルな状況下でデータの保全・保護・復旧を可能にするバックアップソリューションを紹介する。

製品資料 arcserve Japan合同会社

自社に必要な機能だけを選び、最適かつ効率的なバックアップ環境を構築する方法

データのバックアップに求める機能は、企業によってさまざまだ。必要な機能だけを選択して導入することで、無駄なく効率的なデータ保護が可能になる。そこで注目されているのが欲しい機能だけを搭載できるバックアップ/リカバリー製品だ。

製品資料 arcserve Japan合同会社

運用を大幅に軽減し、多様なニーズに対応するバックアップ対策とは?

データバックアップは、安定した経営を維持し、災害やサイバー攻撃のリスクから業務を守るために不可欠である。とはいえ、自社に最適なバックアップ手法の確立は簡単なことではない。豊富な機能を備えているソリューションに注目したい。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...