Linux vs. UNIX──ホットパッチ機能はLinuxがリードUNIX陣営はLinuxに追い付けるか?

システムを停止させることなくパッチを適用するホットパッチ機能は、基幹システムにおいて長らく待ち望まれていた。これをまず実現したのはSUSEだった。

2017年01月26日 08時00分 公開
[Richard FicheraComputer Weekly]
Computer Weekly

 Linuxは本物のOSにどこまで近づけるのか。これについては長らく議論が続いている。LinuxはプロプライエタリUNIXのバリアントであり、20年もの間、非メインフレームのスケーラビリティと信頼性の限界を定義してきた。

Computer Weekly日本語版 1月25日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 1月25日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 しかし時代は変わりつつある。ホットパッチのようなReliability、Availability、Serviceability(RAS:信頼性、可用性、保守性)機能に関して、UNIXはいつLinuxに追い付くか、今なら新しい展望が見えるかもしれない。

 ホットパッチとは、システムの稼働中にOSカーネルに更新ファイルを適用する機能だ。長い間待ち望まれていたにもかかわらず、なかなか実現されなかった。

 この機能への要望が多かった理由は、(パッチ適用のために)膨大な量の重要な処理を実行しているOSインスタンスを停止させると、下手をすれば(事業の運営に)壊滅的な影響を及ぼしかねず、控え目に言ってもシステム運用面では全くの悪夢でしかないことを開発チームも実務部門も認識しているからだ。従ってその難易度の高さから、実現困難な機能とされていた。

 この機能を実装しようという試みは過去にも何度かなされた。あと一息という状況になったこともあった。しかし例外があまりにも多く、実働環境での利用は現実的ではなかった。

何が変わったのか

 ホットパッチできるLinuxは、数年前に初期バージョンが登場した。Kspliceという企業が開発したバージョンが最も有名だ。この会社は数年前にOracleに買収された。

 本格的な変化が見られたのは、2016年に入ってすぐのころだった。SUSEがホットパッチ機能「kGraft」を実装したと発表した。この機能は以前から限定的に提供されていたが、あらゆる実働環境のワークロードに適用可能になった。

 これは大胆な主張だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news191.jpg

Omnicomが Interpublic Groupを買収 世界最大級の広告会社が誕生へ
OmnicomがInterpublic Group(IPG)を買収する。これにより、世界最大の広告会社が誕生し...

news110.jpg

インテントデータ×キーエンス出身者のノウハウで実現 ABMを先に進める最先端の営業手法とは?
ユーソナーとGrand Centralは提携し、営業売り上げ拡大のためのBPOパッケージを提供開始...

news061.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2024年12月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...