進化する「DDoS攻撃」にどう挑むか【第1回】
「Mirai」だけが脅威ではない 今こそ「DDoS攻撃」に注目すべき4つの理由(1/2 ページ)
企業はなぜ今、DDoS攻撃に注目すべきなのか。DDoS攻撃の実際の発生状況や被害状況、大規模化の背景を中心に、その理由を整理する。
ここ最近「DDoS攻撃」という言葉をニュースや雑誌などで目にする機会が多くなったのではないだろうか。DDoS攻撃は、インターネットセキュリティ問題の1つである「分散型サービス停止攻撃」、つまりインターネットに開設しているWebサイトに対して攻撃し、その提供しているサービスを停止に追い込むことをいう。
インターネットでショッピングサイトを開設しているEコマース事業者であれば、DDoS攻撃によってサービスを提供できなくなり、結果としてビジネスが停止してしまうことになる。インターネットバンキングでは振り込みや送金などの手続きができなくなってしまい、企業や個人に与える影響は計り知れない。
DDoS攻撃の標的となるのは、必ずしも大企業ばかりとは限らない。DDoS攻撃者のモチベーションは、政治的社会的背景による主義主張や破壊的主義、金銭目的の脅し行為、オンラインゲームユーザー間での争いなど多岐にわたる。誰もがDDoS攻撃の標的となり得るのが、昨今の状況だ。
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2016年に流行した「DD4BC」(DDoS for Bitcoin)は金銭目的の攻撃で、DDoS攻撃を仕掛けた上で、そのDDoS攻撃を止めるための身代金を要求する。日本でも幾つかの企業がこの攻撃に遭ったといわれており、金銭要求に応えてしまった企業もあったようだ。
他のサイバー攻撃のカムフラージュとして、DDoS攻撃が利用されていることも知られている。DDoS攻撃を仕掛けた上で標的のサーバへ忍び込んだり、マルウェアを埋め込んだりする事例も発生している。
攻撃者はDDoS攻撃による影響を確認した上で、その企業のセキュリティに対する認知度を調査しているという見方もある。つまりDDoS攻撃が防御できないと、攻撃者はその企業のセキュリティが甘いと理解し、標的型攻撃などのリスクにさらされる危険性があるのだ。
アーバーネットワークスが運用している脅威情報ネットワーク「ATALS」(Active Threat Level Analysis System)が2016年に観測したDDoS攻撃の解析結果によると、全世界で発生しているDDoS攻撃の回数は年間約670万回であり、一時間に平均700回以上も発生していることになる(図1)。今もこの時間に、世界のどこかでDDoS攻撃が起きているのが実態だ。
一回当たりの攻撃の規模も巨大化しつつある。2010年に初めて100Gbpsを超えるDDoS攻撃が観測され、今では500Gbpsを超える攻撃も発生している。100Gbpsを超える攻撃は、年間550回以上も起きている状況だ。アーバーネットワークスが2017年1月に発表した「第12版年次ワールドワイド・インフラストラクチャ・セキュリティ・レポート」によると、2016年に報告された最大規模のDDoS攻撃は800Gbpsとなっている(図2)。回数および攻撃規模は年々増加しており、多くのWebサイトはいつ攻撃を受けてもおかしくない状況にある。
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進化する「DDoS攻撃」にどう挑むか
大量のトラフィックを発生させてシステムを停止に追い込む「DDoS攻撃」。その現状はどうなっているのか。求められる対策とは。DDoS攻撃の傾向と対策を示す。
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