Philips Healthcareの幹部社員であるジェロエン・タス氏は、データサイエンスと進化した画像診断を組み合わせることは、個人に最適化した価値に基づく医療ケアへの移行において重要だと語る。
Philips HealthcareでChief Innovation & Strategy Officerを務めるジェロエン・タス氏は米国シカゴで2016年11月に開催した北米放射線学会「RSNA 2016」で、医療分野のデータサイエンスが、価値に基づく医療ケア(編注:従来のように資源のインプット量に基づくのではなく患者にとっての価値に基づく評価体系で医療ケアサービスを提供しようという考え方)への移行において、放射線医学と画像診断技術をどのように補完しているのか語った。
――医療にデータサイエンスを取り入れるなど、画像診断技術の主なトレンドについて教えてください。また、そのトレンドはどのように放射線医学を進化させていると思いますか。
タス氏 放射線医学は100年ほど変化していない。放射線科医は画像を見て分析し、患者の病態について診断評価を下すという作業をずっと行ってきた。一方、画像診断技術は大幅な進化を遂げている。現在、私たちは患者に対する深い理解という観点で医用画像を見るようになっている。これは大きな進歩だ。
放射線科医たちは言う。「患者の臨床検査や病歴から適切な情報を把握できるなら、もし事前にそうした検査の結果を入手して数値化し、現在検査しているものに照らして見ることができるなら、あるいはがん患者のゲノミクスと病理を見ることができるなら、私たちの診断精度は格段に上がる。診断の精度が高くなれば、個別化医療にも大いに役立つだろう」と。
放射線医学は画像診断の範囲を優に越えている。放射線科医は、病院のデータサイエンティストになりつつある。先進的な考えを持つ多くの放射線科医は将来、「放射線科医」と名乗ることを好まなくなるだろう。非常に多くのことを読み取ることができる医用画像は、今後も非常に重要な診断要素となるだろう。彼らは、保管されている何十億もの医用画像に人工知能を適用することにも目を向けるようになるはずだ。全ての医用画像に人工知能を適用できるとしたら、どうだろうか。4年前のMRI画像や2年前のX線画像からでも新しいことが見えるようになるかもしれない。
――医療分野のデータサイエンスは、画像診断技術とどのように連携していますか。また、近い将来、この連携はどのように変化すると思いますか。
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