15人の死亡者を出した軽井沢スキーバス転落事故をきっかけに、IoTとデータ分析を利用した安全対策プロジェクトが各国で始まっている。
全世界で発生しているバス事故の要因の1つは疲労によるものだ。そのため、運転中に運転手の体調を監視することが交通事故死亡者数減少の鍵になる。
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事故を未然に防ぐため、2016年10月、SAPとNTTは福井県で200台の公共バスを運行する京福バスの協力を得てトライアルを行った。
NTTが東レと共同開発した、体にフィットするセンサー付きのシャツ「hitoe」と、NTTのIoT分析プラットフォームを使用して、京福バスの運転手を絶えず見守り、疲労の兆候をリアルタイムに把握する。
日本の医療機関が開発したアルゴリズムを使って心拍数などのデータを分析し、普段とは違う運転手の動きと、ストレスや緊張などの生理的状態を検知する。バスの運行管理者はこうしたデータに従って行動を起こし、運転手に呼び掛けたり、近くのターミナルにいる運転手に交代させたりする。
また、京福バスはバスに備え付けたセンサーから収集したテレマティックスデータを使って、走行中の全バスの位置と速度も追跡している。全てのデータは暗号化され、インターネット経由でSAPクラウドプラットフォーム上のアプリケーションに転送される。
NTTの子会社itelligenceでCOO(最高執行責任者)を務めるウーベ・ボーンホースト氏がこのプロジェクトを構想したのは、15人の尊い命が失われた軽井沢の大事故など、2016年に日本で相次いで起きたバス事故がきっかけだったという。
ボーンホースト氏は米フロリダ州オーランドで開催された「SAPPHIRE NOW」でComputer Weeklyのインタビューに答えて、「より安全な地球にするために技術力の活用方法を求めていた」と語った。
京福バス以外にも、itelligenceは米国の他のバス会社にアプローチして同様のトライアルを呼び掛けている。だが、反応は以外なものだった。
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