ベンダー発表の性能は信じられるのか
フラッシュストレージの最適解「共有DAS」、本当に性能は向上するのか?
フラッシュストレージの性能を引き出すNVMe。ストレージを効率的に運用する共有ストレージ。両者の融合が共有DASだ。ベンダーはとてつもなく高いIOPS値をアピールするが、本当だろうか?
10年か20年前のことを思い出してほしい。当時はダイレクト接続ストレージ(Direct-Attached Disk:DAS)が標準だった。つまりサーバ内蔵HDDだ。
Computer Weekly日本語版 6月21日号無料ダウンロード
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 6月21日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
やがて仮想化の革命がデータセンターを席巻し、この方式はやや時代遅れといわれるようになった。複数のHDDを孤立状態でサーバに内蔵するのは非効率的だ。また、「I/Oブレンダーエフェクト」(注)を軽減するため、ストレージの集約と共有が求められた。従って、ワークロードが多数ある場合はプライマリーおよびセカンダリーストレージを共有ストレージにするのが標準となった。
注:多数の仮想マシンで入出力要求が同時に発生すると、ストレージのパフォーマンスが低下すること。
ところが近年、いわゆるハイパースケールコンピューティングが普及してきた。Webサービス界の大手企業が主導したもので、演算装置とストレージで構成した自己完結型ノードをグリッド状に集約する。
企業向けのストレージアレイと違い、この場合のノードはコモディティコンポーネントで構成される。障害が発生するとサーバとストレージのノード全体がスワップアウトされ、レプリケーションなどはアプリで処理される。
ハイパースケールモデルは、Webのユースケース、特に「Hadoop」などで実行するアナリティクスに適している。
ハイパースケールはまた、サーバとストレージを1つの筐体に集約した「ハイパーコンバージド」と呼ばれる製品が登場するきっかけにもなった。ハイパーコンバージドはその後、市場で急速に普及していく。
しかしながら、非常に高性能なストレージの必要性から、ここまでに説明した流れとは部分的には明らかに矛盾したDASアレイも登場した。この動向の鍵となるのはNVMe(Non-Volatile Memory Express)の台頭だ。PCIeベースのインタフェースでは、HDD時代のSASとSATAに比べてI/Oの性能が格段に高い。これによってフラッシュ本来の高性能を生かすことを狙っている。
NVMeを使って各ベンダーは「NVMe over Fabric」といった方式を開発し、フラッシュストレージにNVMeの接続性やラック規模の拡張性を加えるようになった。
この分野の主要ベンダーは、「DSSD D5」を発売しているEMC、「D24」の発売元であるE8、Apeiron Data Systems(以下「Apeiron」)、Mangstorだ。さらにExcelioとPavilion Data Systemsも加えていいだろう。
こうしたベンダーが提供しているのは、まるでダイレクト接続であるかのように機能する、低レイテンシで高いIOPS値を実現する、非常に高性能のストレージだ。
まずアピールする数字として(読者は話半分で受け取るべきだろう)、各社ともIOPS値は最大1000万、レイテンシは100マイクロ秒以下と主張している。
この数字は、ストレージのファブリックまたはネットワークをI/Oのパスから外し、NVMeの利点を生かすことで実現したものだ。
一部のベンダーは、コントローラーもデータパスから外してパフォーマンスを向上させようとしている。これに当てはまるのがApeironだ。同社製品は、接続したサーバ内のホストバスアダプター(HBA)である程度の処理を実行するが、多くをアプリケーションに任せている。また、Mangstorも同様の方式を採用しているように思われる。
EMCのDSSDには、2つの「制御モジュール」が備えられている。1つはRAID(プロプライエタリな「キュービックRAID」)を扱い、もう1つは恐らくDSSDの内部オブジェクトベースのファイルレイアウトを扱っている。E8は、LUNとシンプロビジョニングを扱う、何らかのコントローラーを配置しているようだ。
EMCとMangstorはプロプライエタリなドライブで動作する製品だが、E8とApeironはコモディティのカードを使用している。
この「共有DAS」の新しい流れについて、筆者には1つ疑問がある。
続きはComputer Weekly日本語版 6月21日号にて
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 6月7日号 Bluetooth 5仕様の真意とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
2
パナソニックが国内製造26拠点のERPを「SAP S/4HANA」に統一 アドオン7割削減
-
3
守るべきは「開発者のフロー状態」 AIによる生産性改善の6施策
-
4
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
5
データを無断で暗号化し使用者に身代金を要求する詐欺に用いられるマルウェアとは?
-
6
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
7
「HDD終了」は本当か 巨大クラウド2社が下した大容量フラッシュへの決断
-
8
【お知らせ】「クラウドインフラに関するアンケート調査」結果リポート
-
9
【お知らせ】「サーバ仮想化導入に関するアンケート調査」結果リポート
-
10
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
9
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー