「Alexa」でBIダッシュボードを強化、音声アシスタントが職場を変えるあるバーベキューチェーンの挑戦

Amazon の音声アシスタント「Alexa」を調理場で活用する米バーベキューレストランチェーン Dickey’s Barbecue Pitの事例を見ていこう。

2017年10月06日 09時00分 公開
[Craig StedmanTechTarget]
「Amazon Alexa」を利用した音声認識機能付きスピーカー「Amazon Echo」《クリックで拡大》

 米バーベキューレストランチェーンのDickey’s Barbecue Pit(以下Dickey’s)は、フランチャイズ店舗の従業員が調理中に運営情報を取得できるようにAmazon の音声アシスタント「Alexa」の利用を計画している。このダッシュボードならバーベキューピット(バーベキュー調理に使用する大型の調理器具)から離れた場所でも利用できる。

 バーベキューレストランで肉をスモークする仕事は、汚れがちな現場での調理作業となるため、キーボードを使用してBIダッシュボード上に表示される業務情報を確認するには適していない。この問題を解決するために、Dickey'sでは、音声ベースの問い合わせを利用する新しい分析ツールの追加導入を進めている。

 米国内に約600軒のレストランを展開するDickey's Barbecue RestaurantsのCEOであるローラ・リア・ディッキー氏は、Alexa上にアプリケーションを展開し、現場で調理しているフランチャイズオーナーが音声でレストランの運営状況を確認できるようにする予定だと述べた。例えばその日の売上高や在庫状況、サプライヤーからの配達予定などの最新情報をAlexaに確認できる。さらには顧客からの評価、最適なスモーク時間まで知ることができる。

 オペレーションからマーケティング、顧客の感想や意見に関する情報まで可視化するBIダッシュボードは、分析システムの中核であり続けるだろうと、ディッキー氏は語った。同氏は2017年の初めにこの家族経営チェーンのCEOに就任する以前、同社のCIOだった。彼女は、調理をしていないときに長期的な分析や計画を行う場合でも、主としてタブレット端末を介してダッシュボードにアクセスすることになると考えている。

 さらに、フランチャイズ店舗の従業員が利用時に手袋を脱いだりピットから離れたりするせずに済むインタフェースを提供する考えだ。この音声技術なら、食品安全の手順や廃棄物管理に関するリマインダーなど、調理プロセスにおいて何か特定のことを行う必要がある場合に、その指示を出すこともできる。

 ディッキー氏によると、レストランのオーナーは社内研修プログラムを通じて「ピットマスター」の認定を受ける必要がある。また、ほとんどのオーナーは現場で調理も行う。さらにDickey'sでは、客席から調理場が見えるようなデザインを採用しているため、オーナーが引きこもるスペースがない。つまり、スプレッドシートを眺めるためのオフィスマネージャーの事務所などは存在しないのだ。

分析処理への参入障壁

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