膨大な認証情報が盗まれた。ダークWebで発見されたそのデータは不正利用するための特別な機能も備えていた。
ダークWebを調べていた研究者が、盗まれた認証情報が平文で保存されている膨大なリポジトリ(ここではデータを一元的にまとめてある貯蔵庫の意味)を発見した。この種のリポジトリとしては過去最大の規模だった。
なりすましなどの脅威対策を手掛ける米インテリジェンス企業4iQの創業者で最高技術責任者(CTO)を務めるジュリオ・カサル氏によると、問題のリポジトリは、同社の研究チームが2017年12月5日に発見した。ディープWebやダークWeb(いずれも通常のブラウザで参照できない情報)をスキャンして、流出や紛失、盗難に遭ったデータを探していた。41GBのリポジトリには、14億個の盗まれた認証情報が平文(暗号化されていない誰でも読める形)で保存されていた。これらは過去に起きた252件の流出事件から集められた情報で、世界最大級のビジネス特化型SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)であるLinkedInや、テキストデータを保存し公開することができるWebアプリケーションサービスPastebinなどから流出した情報も含まれていた。
このリポジトリは、単に盗まれた認証情報が保存されていただけでなく、さらに先進的な機能を備えていたという。
カサル氏はSNSのMediumにてこう記している。「これは単なるリストではない。総合的な双方向データベースであり、高速検索(反応時間1秒)や新たな流出情報の取り込みもできる。ユーザーが電子メールやソーシャルメディア、電子商取引、銀行、仕事用のアカウントで同じパスワードを使い回している現状を考えると、犯罪集団がアカウント乗っ取りやアカウント奪取を自動化することもできる。このデータベースは、パスワードの発見をかつてないほど高速かつ容易にした。例えば管理者が利用する『admin』『administrator』『root』というパスワードを検索すると、わずか数秒で22万6631件がヒットした」
なおリポジトリを管理(露呈)しているサイトは他にもあり、例えばサイトAは脆弱(ぜいじゃく)性を攻撃するプログラム群を露呈している。サイトBはスパム用botとbotによって流出された認証情報を露呈している。両サイトともに過去大規模な認証情報の流出が確認されている。同氏によれば、今回見つかった認証情報のリストには、サイトAのリスト(7億9700万の記録)が含まれる他、133件の事案で流出したデータも追加されていた。一方、もう1つのサイトBの情報(7億1100万アカウントの認証情報)は含まれていなかった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
クラウド利用が当たり前となった今日、セキュリティ対策もまたクラウド環境に適したものでなくてはならない。とはいえ、大量のデータポイントが生成されるクラウド領域にあって、その全てのポイントを網羅するのは並大抵のことではない。
ビジネスでのAPI利用が進むにつれ、そのAPIを標的としたサイバー攻撃も増加している。それらに対抗するためには、「シャドーAPI」や「ゾンビAPI」を洗い出し、セキュリティ対策を徹底する必要がある。その正しい進め方を解説する。
ある調査で企業の61%がセキュリティ優先事項のトップ3に挙げるほど、重要度が高まっているアイデンティティー管理・保護。その中で昨今注目されているのが「IGA」というアプローチだ。そのメリットや、導入方法を解説する。
DX推進によってさまざまなビジネスシーンでデジタル化が加速しているが、そこで悩みの種となるのがセキュリティの担保だ。リソースやコストの制限も考慮しながら、DXとセキュリティを両輪で進めるには何が必要になるのか。
サイバー攻撃が巧妙化し、セキュリティチームとSOCは常に厳戒態勢を取り続けている。さらにデジタルフットプリントの拡大に伴い、セキュリティデータが絶え間なく往来する事態が生じている。このような状況に対応するには、SOARが有効だ。
数分でデータを人質に 進化するランサムウェアに有効な「第2世代EDR」とは (2025/3/4)
クラウドサービスの脆弱性をどう解消する? 安全な開発環境を構築するヒント (2025/3/4)
「複雑、高額、難しい」を変える中堅・中小向けSASEのメリットを解説 (2025/2/10)
「Box」に移行してもなくならない「お守り仕事」を根本から効率化するには? (2025/1/23)
これからのセキュリティ対策に必要な「防御側の優位性」、AIはどう実現する? (2025/1/22)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...