機械学習には必須な有効性の検証機能など
群雄割拠の機械学習基盤 専門家が比較するポイントは?
機械学習市場にはここ数年で多くのベンダーが参入してきた。数あるベンダーの中から最適なベンダーを選ぶのは難しいが、専門家はどう見るのか。選定のポイントを聞いた。
機械学習市場に参入するベンダーが増え、機械学習の基盤を比較するのも簡単ではなくなってきた。そんな中、ユーザーや専門家が重視するポイントは柔軟性に集約されそうだ。
「作業に応じて適切なツールを選べることが重要だ」そう話すのは、通販サイトOverstock.comの主任データサイエンティストを務めるクリス・ロビソン氏だ。
ロビソン氏は、分散処理のフレームワークである「Apache Spark」を基にしたデータ分析サービスを提供するDatabricksが主催したオンラインセミナーで、Databricksのサービスを使ってどのようにサイト訪問者の購買傾向をスコアリング(得点付け)しているか説明した。まずWebのログ情報に特徴となる属性を追加し、それをユーザーセッションごとに整理して順番に並べ替える。ここでいうユーザーセッションとはユーザーがサイトに来てから離脱するまでの一連の流れを指す。整理されたログの情報は購買につながる行動の見取り図となる。行動の見取り図を構築、つまりデータを構造化したら、購買に関連する行動を分類する機械学習アルゴリズムのトレーニングを行う。
このプロセスには、データの準備から機械学習モデルの構築、アルゴリズムの作成まで幾つかのステップが含まれる。その全てを1つのデータ基盤で行うことができれば、PoC(概念実証)から実運用への移行を進めやすい、とロビソン氏はいう。
さまざまなプログラミング言語に対応する柔軟性も、機械学習基盤を選ぶときに重要になるという。ロビソン氏のチームでは「R」「Python」「Scala」などさまざまな言語を使っており、どれを選ぶかはデータサイエンティストにとっての使いやすさや、モデル構築のどの工程に使うかに応じて違う。Databricksはそうした言語の複数のバージョンを利用可能で、バージョンや言語の切り替えも可能だ。
「どんな状況でも使える万能の言語はないから全て試したい」とロビソン氏は語った。
こうした機能を備えた機械学習基盤は他にもあるという。同じオンラインセミナーに参加したマイク・グアルティエーリ氏(調査会社Forrester Researchのアナリスト)は、現在のところ、この分野のベンダー47社の動向を追っていると話した。グアルティエーリ氏は機械学習基盤を比較するときに検討すべき上位10項目として以下を挙げた。
1.データ準備機能
2.利用できる既存のアルゴリズム数
3.スケーラビリティ(拡張性)
4.利用できるオープンソースプログラミング言語の種類
5.ワークベンチスタイル※注1のインタフェース
6.プロジェクトを共有できるコラボレーション機能
7.デプロイ(プログラムの展開)機能
8.モデルの有効性を検証するための追跡管理ツール
9.顧客離脱率(Customer Churn)など一般的なビジネス課題向けの既存ツール
10.ベンダーの約束履行能力
グアルティエーリ氏は「この市場は複雑になってきている。小規模のベンダーが乱立しているが、その企業が掲げる『ビジョン』を実現できる能力があるかに注目すべきだ」と語った。
※編集注:ワークベンチスタイルとは、例えばテキストを編集するときはフォントメニュー、作図をするときは直線や矢印メニューといったように実施したい作業に応じてメニューやツールを切り替えられる形式のこと
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