実用レベルに達したSUSEのライブパッチ機能、あるとないでは大違いの理由CW:ライブパッチがないとどうなる?

リブートすることなくLinuxカーネルにパッチを適用するライブパッチ機能が実用レベルに達したようだ。この機能は仮想化時代になり、ますます重要度が増している。

2018年03月27日 08時00分 公開
[Adrian BridgwaterComputer Weekly]
Computer Weekly

 Linuxの普及を加速させるために必要なことが1つあるとすれば、それは(議論の余地はあるものの)企業環境における堅牢(けんろう)性の向上だろう。

Computer Weekly日本語版 3月20日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 3月20日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 実際のところ、Linuxが企業市場で成功を収めるために必要なものが1つあるとすると、Linuxが大好きだと公言するMicrosoftのような企業の存在だ。これについては既に確認されている。では、それ以外に何が期待できるだろう。

 ドイツのオープンソースソフトウェアハウスSUSEは、事業ポートフォリオを拡大する動きの動きの中で、企業の基幹業務のニーズを反映している。同社の目下の目標は、企業ユーザーに、いわゆる「ワークロードの予測可能性」を提供することだ。

 実際の製品でいうと、同社はライブパッチ製品「SUSE Linux Enterprise Live Patching for IBM Power Systems」を提供している。

ライブパッチとは

 ライブパッチ(ホットパッチと呼ばれることもある)を使うと、システムを再起動することなく、Linuxカーネルにパッチを適用することができる。パッチはLinuxカーネル上で稼働しているアプリケーションから独立しており、カーネルの更新中でもアプリケーションの実行を継続する。

 これは、ライブパッチのスイッチをオンにすれば実現するほど簡単なものだろうか。もちろんそうではない。

 Linuxでのライブパッチ適用の試みは数年前から行われてきた。そして現在、SUSEのライブパッチがIBM Power SystemsとSAP HANAの認定を受けているという事実は、現在のパッチ生成が企業レベルでも効果的に機能することをある程度証明したといえる。

 調査会社Forresterのリチャード・フィチェラ氏は次のように語る。「ライブパッチできるLinuxは、数年前に初期バージョンが登場した。Kspliceという企業が開発したバージョンが最も有名だ。この会社は数年前にOracleに買収された。本格的な変化が見られたのは、2016年に入ってすぐのころだった。SUSEがライブパッチ機能『kGraft』を実装したと発表した。この機能は以前から限定的に提供されていたが、あらゆる実働環境のワークロードに適用可能になった」

 こうした製品は、SUSEのソフトウェア定義インフラとアプリケーション展開製品の一部となっている。ライブパッチは顧客からの要求に応えたものだとSUSEは説明する。ダウンタイムを短縮し、サービスの可用性を高め、セキュリティやコンプライアンスを強化することで、ビジネス継続性の向上が容易になると同時に、コストも削減できるためだ。

適用の実例

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

製品レビュー グーグル合同会社

重要なエンドポイントを守る、Chromeブラウザを企業向けに安全性を強化する方法

世界中で広く利用されているChromeブラウザは、業務における重要なエンドポイントとなっているため、強固なセキュリティが必要となる。そこでChromeブラウザを起点に、企業が安全にWebへのアクセスポイントを確立する方法を紹介する。

製品資料 グーグル合同会社

Chromeの拡張機能:企業における今求められる管理戦略とは

Google Chromeの拡張機能は生産性の向上に不可欠な機能であり、ユーザーが独自にインストールできる一方、IT管理者を悩ませている。ユーザーデータを保護するためにも、効率的な運用・監視が求められるが、どのように実現すればよいのか。

製品資料 arcserve Japan合同会社

データの保全・保護・復旧を全方位でカバーするバックアップ戦略とは?

データ活用が企業の命運を握る今日にあって、絶対に避けなければならないのがデータの損失だ。本資料では、ビジネスクリティカルな状況下でデータの保全・保護・復旧を可能にするバックアップソリューションを紹介する。

製品資料 arcserve Japan合同会社

自社に必要な機能だけを選び、最適かつ効率的なバックアップ環境を構築する方法

データのバックアップに求める機能は、企業によってさまざまだ。必要な機能だけを選択して導入することで、無駄なく効率的なデータ保護が可能になる。そこで注目されているのが欲しい機能だけを搭載できるバックアップ/リカバリー製品だ。

製品資料 arcserve Japan合同会社

運用を大幅に軽減し、多様なニーズに対応するバックアップ対策とは?

データバックアップは、安定した経営を維持し、災害やサイバー攻撃のリスクから業務を守るために不可欠である。とはいえ、自社に最適なバックアップ手法の確立は簡単なことではない。豊富な機能を備えているソリューションに注目したい。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

実用レベルに達したSUSEのライブパッチ機能、あるとないでは大違いの理由:CW:ライブパッチがないとどうなる? - TechTargetジャパン システム運用管理 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...