リブートすることなくLinuxカーネルにパッチを適用するライブパッチ機能が実用レベルに達したようだ。この機能は仮想化時代になり、ますます重要度が増している。
Linuxの普及を加速させるために必要なことが1つあるとすれば、それは(議論の余地はあるものの)企業環境における堅牢(けんろう)性の向上だろう。
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 3月20日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
実際のところ、Linuxが企業市場で成功を収めるために必要なものが1つあるとすると、Linuxが大好きだと公言するMicrosoftのような企業の存在だ。これについては既に確認されている。では、それ以外に何が期待できるだろう。
ドイツのオープンソースソフトウェアハウスSUSEは、事業ポートフォリオを拡大する動きの動きの中で、企業の基幹業務のニーズを反映している。同社の目下の目標は、企業ユーザーに、いわゆる「ワークロードの予測可能性」を提供することだ。
実際の製品でいうと、同社はライブパッチ製品「SUSE Linux Enterprise Live Patching for IBM Power Systems」を提供している。
ライブパッチ(ホットパッチと呼ばれることもある)を使うと、システムを再起動することなく、Linuxカーネルにパッチを適用することができる。パッチはLinuxカーネル上で稼働しているアプリケーションから独立しており、カーネルの更新中でもアプリケーションの実行を継続する。
これは、ライブパッチのスイッチをオンにすれば実現するほど簡単なものだろうか。もちろんそうではない。
Linuxでのライブパッチ適用の試みは数年前から行われてきた。そして現在、SUSEのライブパッチがIBM Power SystemsとSAP HANAの認定を受けているという事実は、現在のパッチ生成が企業レベルでも効果的に機能することをある程度証明したといえる。
調査会社Forresterのリチャード・フィチェラ氏は次のように語る。「ライブパッチできるLinuxは、数年前に初期バージョンが登場した。Kspliceという企業が開発したバージョンが最も有名だ。この会社は数年前にOracleに買収された。本格的な変化が見られたのは、2016年に入ってすぐのころだった。SUSEがライブパッチ機能『kGraft』を実装したと発表した。この機能は以前から限定的に提供されていたが、あらゆる実働環境のワークロードに適用可能になった」
こうした製品は、SUSEのソフトウェア定義インフラとアプリケーション展開製品の一部となっている。ライブパッチは顧客からの要求に応えたものだとSUSEは説明する。ダウンタイムを短縮し、サービスの可用性を高め、セキュリティやコンプライアンスを強化することで、ビジネス継続性の向上が容易になると同時に、コストも削減できるためだ。
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 3月7日号 逆に考えるんだ「GDPRはチャンスだ」と
Computer Weekly日本語版 2月21日号 Spectre&Meltdownの見つけ方
Computer Weekly日本語版 2月7日号 キャッシュレス先進国の現実
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「Windows 11」は従来の「Windows」と比較して、システム要件が厳しいとの声がある。具体的には何が違うのか。そもそもWindows 11への移行に意味はあるのか。
「Windows 10」のサポート終了が迫る中、移行に関する幾つかのハードルや誤解からまだ「Windows 11」に移行できていない組織がある。移行を円滑に進めるために押さえておくべき点とは。
マルチテナント型SaaSの開発・運用に当たっては、ID・アカウント管理を適切に設計・実装していくことが不可欠だ。その理由を確認しながら、ID・アカウント管理で求められる要件や構築のポイントを解説する。
データドリブン経営に不可欠なファイルストレージだが、近年はアクセス集中によるパフォーマンス低下、データ増による容量逼迫、データ保護体制の不備など、多くの課題が指摘されている。これらを一掃する、次世代のストレージとは?
リモートワークなどの働き方の変化は多様な影響をもたらしており、中でも注意が必要な領域がIT資産管理ツールだ。リモートワークの増加、デバイスの多様化などに対応し、情報漏えいを防ぐにはどのようなツールを選べばよいのか。
「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...