NVIDIA、Oracle、Quboleなど紹介
人工知能(AI)インフラ製品、主要ベンダー18社の特徴をつかむ(後編)
人工知能(AI)インフラ市場はまだ歴史が浅く、各社さまざまなツールを市場投入している。クラウドサービスも、パワフルで高価なハードウェアもある。後編ではNVIDIA、Oracle、Quboleなど、主要な7社を紹介する。
企業が人工知能(AI)インフラを構築しようとする場合、選択肢はたくさんある。多くのITベンダーが、幅広い分野で多種多様な製品やサービスを提供しているからだ。企業がAIアプリケーションを支えるITインフラを構築し、維持するのに役立つ。
本稿では、企業が効果的なAIインフラを構築し、AIを活用して最大の価値を生み出すには、どのような製品が必要かを素早く大まかに把握できるように、主要なベンダーとその製品の概要をまとめた。前編に引き続き、後編となる本稿では7社の製品を紹介する。
AIインフラ市場に関する幅広い調査を踏まえ、市場をリードする先進的なベンダーと、歴史のある有力ベンダーの両方に焦点を当てた。参考にした調査データには、TechTargetの調査結果に加え、Gartnerなど、定評のある調査会社のレポートのデータを含む。
NVIDIA
「NVIDIA DGX Systems」は、同社の「Volta GPU」プラットフォームを基盤としており、「NVIDIA DGX-1」「NVIDIA DGX-2」「NVIDIA DGX Station」がラインアップされている。「NVIDIA GPU Cloud」もNVIDIA DGX Systemsに含まれている。NVIDIA GPU Cloudでは、NVIDIAが最適化したディープラーニングソフトウェア、サードパーティーが管理するハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)アプリケーション、NVIDIAのHPCビジュアライゼーションツール、パートナーのアプリケーションなど、さまざまなGPU対応コンテナが利用できる。NVIDIAは、DGX Systemsについて「データサイエンティストに最も強力なAI探索ツールを提供するように設計されている」と述べている。
DGX-1とDGX-2は、AIと機械学習向けに構築されたスーパーコンピュータだ。DGX-2の方が強力であり、NVIDIAによると、DGX-1の10倍のパフォーマンスを提供するという。重さは350ポンド(約159キロ)、価格は39万9000ドルで、2つのボードに合計16基の「NVIDIA Tesla GPU」、合計512GBのHBM2(第2世代高帯域幅メモリ)を搭載する。
他のスペックは、1.5TBの標準RAM、2基の「Intel Xeon Platinum プロセッサー」、30TBのNVMe SSD内蔵ストレージなど。ネットワーキングに関しては、DGX-2は合計12のスイッチチップ「NVSwitch」を搭載し、1秒当たり2.4TBのバイセクションバンド幅とデュアル10/25GbEをサポートする。
より小型のDGX-1はラックサーバに似た形状で、重さは134ポンド(約61キロ)。価格は14万9000ドルで、8基の「NVIDIA Tesla V100 GPU」、256GBのGPUメモリ、512GBの標準RAM、2基の「Intel Xeonプロセッサー E5-2698 v4」(20コア)、4基の1.92TB SSDを搭載する。
DGX Stationは、DGX-1やDGX-2のデスクトップ版であり、NVIDIAは「最先端AI開発用の唯一の個人向けスーパーコンピュータ」と銘打っている。4基のTesla V100 GPU、64GBのHBM2を搭載し、重さは88ポンド(約40キロ)。価格は4万9900ドルとなっている。
Oracle
Oracleは、顧客の重要な企業データを利用し、高速ネットワーク、オブジェクトストレージ、GPUを組み合わせて運用することで、モデルトレーニングを効率化できるように「Oracle Cloud」を構築している。「Oracle AI Platform Cloud Service」では、おなじみのAIライブラリ、ツール、ディープラーニングフレームワークが用意されている。機械学習の実務家は「Oracle Object Storage」にもアクセスでき、既存の「Apache Spark」「Apache Hadoop」クラスタに接続することも可能だ。
Oracleの自律機能は「Oracle Cloud Platform」全体に不可欠だ。この機能を提供する製品の一つが、同社が「世界初の自律型データベース」とうたう「Oracle Autonomous Database」だ。Oracle Autonomous Databaseは、高度なAIと機械学習により、人間の労力、人的ミス、手作業によるチューニングを排除し、高い可用性とパフォーマンスを低コストで提供する。
Oracle AI Platform Cloud Serviceは、「Oracle Cloud Infrastructure」で稼働し、専門性の高いディープラーニングアプリケーションを管理する。差別化が施されたこのAIインフラレイヤーには、25Gbネットワーク上のNVMeフラッシュストレージやGPUが含まれる。
Oracleは顧客にAI機能を、パブリッククラウドでサブスクリプションに基づいて、あるいはオンプレミスで従来のライセンスに基づいて提供している。
Qubole
企業はQuboleのクラウドネイティブな「Big Data Activation Platform」を利用して、継続的にコストを削減しながら、ペタバイト(PB)規模のAIデータを迅速に活性化できる。
データサイエンティストはこのプラットフォームを使い、一般的なノートブックスタイルのユーザーインタフェース(UI)によってAIアプリケーションを開発、テスト、デプロイできる。Quboleは、レガシーシステムロックインを避ける方法を提供しているので、企業はニーズに合ったエンジン、ノートブック、クラウドサービスを利用できるとしている。
データサイエンティストやデータエンジニア、データアナリストはこのプラットフォームを、抽出、変換、ロード/レポート、アドホッククエリ、機械学習、ストリーム処理といった用途で利用できる。このプラットフォームは「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」「Oracle Bare Metal Cloud」「Google Cloud Platform」などのクラウドサービスに対応しているという。
このプラットフォームのセキュリティ機能には、コンプライアンスおよびプライバシー管理、柔軟できめ細かなアクセス制御、ビルトインされた暗号および鍵管理、管理しやすいデータのコントロールと構成などがある。
Quboleは、従量制の各種料金プランを提供している。
Skymind
「Skymind Intelligence Layer」(SKIL)は、データサイエンティストやデータエンジニアがAIアプリケーションを構築し、本番環境にデプロイして、モニタリングできるよう支援する企業向けAIソフトウェアだ。
SKILは、Pythonのデータサイエンスエコシステム(機械学習ライブラリ「TensorFlow」と「Keras」)と、Javaのビッグデータエコシステム(Apache HadoopとApache Spark)のギャップを、直感的な形で橋渡しする。このAIソフトウェアは、トレーニング済みPythonモデルのインポートや、クラスタ間でのトレーニングの分散、バッチまたはリアルタイムでのモデルの呼び出し、モデルのパフォーマンスモニタリングが可能であり、データサイエンティスト、データエンジニア、DevOps担当者、IT担当者のクロスチームプラットフォームを目指している。
SKILは、オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境で、Apache HadoopおよびApache Sparkと連携して動作し、ビジネス環境の中で分散GPUおよびCPUで利用できる。
SKILのスタータープランは6万ドルからで、この金額には年間ライセンス料と年間エンタープライズサポート料が含まれる。
SAP
「SAP Leonardo Machine Learning Foundation」は、「SAP Cloud Platform」における機械学習の中央ハブとして機能する。Leonardo Machine Learning Foundationによって、企業はBYO(Bring-Your-Own)モデル機能による独自モデルの構築や、構築済みモデルの再トレーニング、さまざまな一般的ビジネスニーズをカバーする、トレーニング済み機械学習アルゴリズムの実行が可能だ。Leonardo Machine Learning Foundationは、SAP製品と組み合わせて、あるいは他のビジネス領域で利用できる。
Leonardo Machine Learningが提供するAIおよび機械学習機能は、既存のビジネスプロセスと連携する。機械学習機能は以下のいずれかの方法で顧客に提供される。
- Leonardo Machine Learning Foundationによってプラットフォームとして。
- SAP製品に組み込まれて。
- スタンドアロン製品として。
Leonardo Machine Learning Foundationの幾つかの機械学習機能も、スタンドアロン製品として従量制料金で提供されている。その一例が「SAP Brand Impact」だ。企業はこのアプリケーションにより、ライブ映像内の自社のロゴを自動的に識別し、リアルタイムで露出度を測定、追跡できる。
SAPはAI製品、特に自然言語処理に関わるものを、デジタルアシスタントやチャットbotという形で提供している。これらはいずれも機械学習機能を備えている。
SAPは、既存の全ての製品分野に機械学習機能を組み込む方針を表明しており、アップデートやリリースごとに新機能を追加している。こうした新開発の機能の一部は、SAPの既存顧客に追加費用なしで提供されるが、利用するには追加費用がかかる新機能もある。
Leonardo Machine Learning Foundationの料金は、使用ノード数と使用時間に応じて課金される。
SAS Institute
「SAS Data Management」は、複数のプラットフォームにわたってデータの統合、クリーニング、統合、改善を行い、一貫した正確な情報を生成する。包括的な自然言語処理システムや、不正確な推論に対処するためのファジー論理アプローチ、データパターンを理解するためのニューラルネットワークといった固有のAI機能も備えている。
さらに、SAS Data Managementのメタデータ管理やリネージ機能は、組織全体にわたってデータ要素の進化をインテリジェントに追跡する。このプロセスによって信頼性が確保されたデータが、自動化され、再利用と共有が可能な環境でAI機能に適用される。
SASのもう一つの製品である「SAS Event Stream Processing」は、ユーザーが瞬時に行動を起こせるように、連続して高速に生成されるビッグデータをリアルタイムに、かつ継続的に分析する。データの正規化、パターンの特定、異常のチェック、予測モデルの活用、機械学習の適用を高速に行い、行動を喚起したり、別のビジネスプロセスを開始させたりできる。
SAS Event Stream Processingは、複数のAIデータソースから任意の速度で取り込まれる任意の量のデータを、全て1つのインタフェースで管理できる。こうした機能により、例えば、メーカーやスーパーマーケットが、製造装置や冷凍装置の故障を未然に察知するといったことが可能になる。
SASの両製品の価格は、キャパシティーに基づいて設定されている。
Talend
「Talend Data Fabric」は、クラウドとビッグデータの統合プラットフォームであり、ITのアジリティー向上と、全社的なビジネス洞察の迅速な獲得を目的に設計されている。
Talend Data Fabricはオープン技術に基づいており、幅広い統合スタイルに対応したエンタープライズAIツールが備わっている。サポートしている統合スタイルには、リアルタイムまたはバッチ、ビッグデータ統合、アプリケーション統合、データ品質、データ準備、データスチュワードシップ、マスターデータ管理、オンプレミスまたはクラウドなどがある。Talend Data Fabricは、セルフサービス統合、機械学習、コラボレーティブデータガバナンスをサポートしている。
Talend Data Fabricは、主要なデータベース、ビッグデータ、NoSQL技術、クラウドプラットフォーム(AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformや「Snowflake」など)、SaaS(Software as a Service)アプリケーション、メッセージングシステムなどに対応した900以上の構築済みコネクターおよびコンポーネントを提供する。「Linux」「Solaris」「macOS」「Windows」などのOSで動作する。
Talend Data Fabricの料金は、使用する開発者数に応じて課金され、コネクターは無制限に利用できる。
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人工知能(AI)インフラ製品、主要ベンダー18社の特徴をつかむ
人工知能(AI)インフラ市場はまだ歴史が浅く、各社さまざまなツールを市場投入している。クラウドサービスも、パワフルで高価なハードウェアもある。Amazon、Baidu、Clouderaなど、主要な18社を紹介する。
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