デスクトップだけ管理すれば良い時代は終わった
Windows 10、macOS、iPhone 複数OS混在職場のアップデート戦略は?
IT部門はこれまでのデスクトップ管理の方法では、現在企業で使われているデバイスやOSなどを全て管理することはできない。時代に沿ったアプローチをするためのツールと戦略を紹介する。
IT担当者が据え置きのデスクトップPCを管理する従来のエンタープライズデスクトップ管理の戦略は、終わりを迎えることはないかもしれない。しかしこの戦略は、既に生命維持装置につながれた状態だ。
これからはデバイスやOSの多様性を受け入れ、モバイルデバイス管理(MDM)も含めた、時代に沿った管理アプローチが必要になる。「エンタープライズデスクトップ管理の現状は、さまざまな変化が積み重なった結果だ」と、ITサービスを手掛けるInsentraのソリューションアーキテクト、アーロン・パーカー氏は語る。
デスクトップ管理を取り巻く環境はどう変わったか
多くのユーザーが「Windows」ベースのデスクトップやノートPCを使っているが、Apple「macOS」や、「Google Chrome OS」を使いたいユーザーもいる。ユーザーがApple「iOS」やGoogle「Android」搭載のスマートフォンやタブレットを持っている場合、これらの端末を仕事に使いたいと考えていることがある。
若い世代の労働者は、従来の世代より技術に詳しいユーザーだと、パーカー氏は2018年9月、XenAppblog.comが主催したオンラインイベントでのプレゼンテーションで語った。
「彼らはスマホとともに育った。彼らは快適なユーザーエクスペリエンスを期待し、エンタープライズITに柔軟性を期待する。どこでも仕事ができ、愛用しているデバイスが使えることを望んでいる」(パーカー氏)
Windows 10では「Windows as a Service(WaaS:サービスとしてのWindows)」という更新モデルが導入された。Windows 10はセキュリティとバグ修正が目的の毎月の更新に加えて、年に2回の大規模な機能更新をするようになった。この機能更新に伴い、IT部門は毎年2回、アプリケーションとデバイスの互換性をテストする必要が生じる。
IT部門のエンタープライズデスクトップ管理戦略において、強制的な更新が発生するのはOSだけではない。「Microsoft System Center Configuration Manager(SCCM)」は2015年以来、年平均3~4回、更新されており、「Microsoft Intune」は週に何回も更新されている。
IT部門はデスクトップ管理戦略をどうアップデートすべきか
こうした頻繁な更新ペースに適応するには、IT担当者は個々の更新に備えて詳細に計画するのではなく、全社的な更新の管理方法を計画しなければならない。
「『更新の時にX、Y、Zをする』ということが分かるドキュメントを用意しておきたい。具体的にどのようにするかの細かい説明は不要だ。手順を盛り込んでドキュメントを作っても、例えば『Microsoft Intune』などの管理ツールは実際に使うまでに、仕様が変わってしまうからだ」(パーカー氏)
IT担当者は自社の環境を的確に把握するために分析する必要があると、パーカー氏はアドバイスした。そのための1つの選択肢が、Microsoftが2018年9月に発表した「Desktop Analytics」だ。「Windows Analytics」を拡張したこのクラウドサービスは、アプリケーションインベントリの作成と、Windows 10の最新機能に対するアプリケーションの互換性評価ができる。これらの機能で、IT担当者がデバイスの更新準備が整っているかどうかを評価できるように支援する。
デスクトップ管理戦略のアップデートを通じて、一部の作業を大幅に省力化することもできる。例えば「Windows Autopilot」を使うと、ユーザーのニーズに合わせてデバイスを事前構成し、使用準備を整えることができる。カスタムデスクトップイメージを作成する必要はない。ユーザーが初めてデバイスの電源を入れたときに、デバイスは企業ネットワークに接続し、ユーザー認証を経てセットアップされ、使える状態になる。
IT担当者が単純作業に追われないようにするには、パスワード変更などの簡単な変更をユーザー自身でできるようにすることが有効だ。
依然重要なセキュリティとコンプライアンス
「今時のデバイス管理の世界では、セキュリティとコンプライアンスは、最終的にユーザーのアイデンティティー(ID)の管理に行き着く」とパーカー氏は語った。
「問題はデバイスの内容ではなく、必要なのは、デバイスがコンプライアンスを満たすかどうかのチェックだ。ユーザーのシングルIDの管理を徹底したい」(パーカー氏)
IT担当者は、ユーザーがログイン資格情報を何度も入力しないで済むように、シングルサインオン(SSO)を導入しなければならない。パスワード以外の手段で本人確認を行う多要素認証(MFA)を設定する必要もある。
デバイスの管理においては、ユーザーの権限や、ユーザーがどのアプリケーションにアクセスできるかを管理する「条件付きアクセス」を設定することもできる。条件付きアクセスでは「ユーザーがMFAを使ってサインインしたか」「デバイスが信頼できるか」「デバイスがマルウェアに感染しているか」「ユーザーが機密のアプリケーションにアクセスしようとしているか」などの条件に基づいて、ユーザーのアクセスを制御することが可能だ。
これからのデスクトップ管理に求められるものとは
従来のデスクトップ管理の形態は、今後も長い間存続するだろうと、パーカー氏は語った。PCが広く使われている工場現場では、レガシーアプローチにも依然として価値がある。
現代的なデスクトップ管理戦略を効果的に実行する鍵は、複数の戦略を組み合わせ、全てのツールをできるだけ少ない場所で管理することだ。Microsoftは、SCCMとIntuneに「共同管理」機能を導入し、両ツールを使ってWindows 10デバイスを同時に管理できるようにした。IT担当者は、どちらのツールでどの管理タスクを処理するかを決めることができる。
IT担当者は「VMware Workspace One」や「Citrix Cloud」のようなワークスペースツールを検討することもできる。こうしたツールは、ユーザーのリソースを全て管理できる単一コンソールをIT担当者に提供する。
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