管理機能で比較する、デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化の主要製品画面転送プロトコルにも違いが(1/2 ページ)

デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化へのニーズは企業ごとに違う。購入に際し正しい判断を下すには、各ベンダーのモビリティー機能やデータ管理機能を比較する必要がある。

2018年04月18日 05時00分 公開
[Robert SheldonTechTarget]

 デスクトップ仮想化およびアプリケーション仮想化ソフトウェアを提供しているベンダーは多い。それらをふるいにかけ、自社の規模と具体的なニーズに合った製品を見つけ出すのは、IT管理者には骨が折れる作業だ。

 管理者は、デスクトップ仮想化、アプリケーション仮想化、システム管理、データ管理、モビリティー向けに各システムが提供する機能を精査してから、決断を下す必要がある。

デスクトップ仮想化

 デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化ソフトウェアを検討する際、大多数の企業で最も重要になるのは「最高レベルのパフォーマンスとユーザビリティーの標準を満たす、包括的な仮想デスクトップ基盤(VDI)を提供できるかどうか」だ。効果的なVDIに不可欠な2つのコンポーネントは「ハイパーバイザー」と「画面転送プロトコル」だ。この2つが連携して仮想デスクトップをユーザーに提供する。

 「独自のハイパーバイザーを提供する」「サードパーティーのハイパーバイザーを使用する」「その両方のオプションをサポートする」など、ベンダーによってハイパーバイザーへの対応はさまざまだ。例えばMicrosoftの「リモートデスクトップサービス」(RDS)は同社の「Hyper-V」で動作し、「Citrix XenDesktop」は「Citrix XenServer」で動作する。XenDesktopは「VMware ESXi」や「Nutanix Acropolis」などサードパーティーのハイパーバイザーとも互換性がある。その他「Ericom Connect」「Parallels Remote Application Server」(RAS)などの製品は特定のハイパーバイザーに依存しないで、XenServer、Hyper-V、VMware ESXiなどの主要ハイパーバイザーのほとんどをサポートする。

 ベンダーは、仮想デスクトップを提供するために多様な画面転送プロトコルもサポートする。MicrosoftのRDSでは同社の「リモートデスクトッププロトコル」(RDP)や「RemoteFX」が使用可能だ。「VMware Horizon」はVMwareの「Blast Extreme」の他、「PC over IP」やMicrosoftのRDPを使用できる。XenDesktopがサポートするのはICA(Independent Computing Architecture)と「Citrix HDX」だ。Huaweiの「FusionAccess」は独自プロトコル「Huawei Desktop Protocol」を使用する。Systanciaの「AppliDis Fusion」は、NComputingの「VERDE VDI」と同様RDPを使用する。VERDE VDIはSPICE(Simple Protocol for Independent Computing Environments)もサポートする。

 ハイパーバイザーとプロトコルをどのように組み合わせるかによって、デスクトップの提供方法が大きく変わる。ITチームは現在と今後のニーズを確実に満たせるように、製品の機能を全てテストする必要がある。マルチハイパーバイザー導入をサポートするチームの場合はこのことが特に重要になる。

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