ユーザー5億人への影響は
WinRARで見つかった「19年間放置されていた脆弱性」の正体は?
WinRARの全バージョンに、2000年よりも前から存在していたとみられる脆弱性が発見され、修正された。数億人ともいわれるWinRARユーザーが、修正パッチを受け取れるかどうかは不透明だ。
セキュリティ研究者が、ファイル圧縮・解凍ソフトウェア「WinRAR」の脆弱(ぜいじゃく)性を発見した。2000年より前から、つまり19年以上も存在していたとみられるこの脆弱性の影響は、何百人ものエンドユーザーに及ぶ恐れがあった。この脆弱性はバージョン5.70で修正済みだ。
セキュリティベンダーCheck Point Software Technologiesのセキュリティ研究者、ナダブ・グロスマン氏によると、グロスマン氏のチームはオープンソースソフトウェア(OSS)のファジング(脆弱性検出)ツール「WinAFL」を使って、WinRARの脆弱性を発見した。WinRARはファイルをZIP形式またはRAR形式に圧縮・解凍するために使われる。
「ファジングツールによって発生したクラッシュの一つが、古いDLL(ダイナミックリンクライブラリ)の発見につながった。このDLLは、2006年にASLR(アドレス空間配置のランダム化)やDEP(データ実行防止)などの保護対策を実装しないままコンパイルされ、WinRARによって使われていた」。グロスマン氏は2019年2月のブログにそう記している。
グロスマン氏は今回のWinRARの脆弱性について、ACE形式の圧縮フォーマットを処理するために使われていた旧式のDLLが原因だったと解説する。
併せて読みたいお薦め記事
「脆弱性」についてもっと詳しく
「Spectre/Meltdown問題」とは何だったのか
WinRARで見つかった脆弱性
攻撃者が今回の脆弱性を悪用すると、被害者に悪質なACEファイルを解凍するよう仕向けるだけで、たとえ名称がRARファイルに変更されていたとしても、標的とするマシンの任意の場所にマルウェアを展開させることができた。スタートアップフォルダにマルウェアを仕込むことも可能だった。
この脆弱性はWinRARの全バージョンに存在していたため、数百万人が危険にさらされる恐れがあった。WinRARには5億人を超すユーザーがいるという。
セキュリティサービスを手掛けるRendition Infosecの創業者で、最高経営責任者(CEO)のジェイク・ウィリアムズ氏によると、WinRARは特に中国で人気が高い。「中国人の客員医師や研究者を受け入れている2つの医療ネットワークでは、至る所でWinRARを見掛ける」(ウィリアムズ氏)
WinRARがACEファイルのサポートを打ち切ったことが、公式Webサイトの声明で明らかになった。WinRARがACEファイルの解凍のために使っていたサードパーティーDLLの「UNACEV2.DLL」が2005年以来更新されておらず、ソースコードも参照できないことが理由だという。
仮想通貨を格納する「ウォレット」を手掛けるKZen Networksの共同創業者、タル・ベリー氏のような専門家は、WinRARに自動更新の仕組みがないことを指摘。パッチが全てのユーザーに届くかどうかに疑問を呈する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品レビュー
「電子帳簿保存法対応」実践術:タイムスタンプ付与などの要件の手軽な実現方法 -
事例
「大企業のデジタル化」成功事例集【コクヨ、九州電力、ヨネックスなど21社】 -
製品資料
“顧客管理の課題”を簡単に解決する方法とは? -
製品資料
契約管理の“あるある課題”をノーコード開発で解決するためのポイント -
製品資料
揺らぐ境界防御 いま企業が特に警戒すべき「3つのセキュリティ課題」とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
継続利用は4割どまり M365 Copilotが「効く業務」と期待外れの境界
-
5
画面をティッシュで拭くのはNG Dellが推奨するPCの正しいお手入れ方法
-
6
メインフレームは死なず AI活用で20年来の高収益をたたき出す基幹システムの底力
-
7
「法人PCの導入」に関するアンケート
-
8
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
9
「GitHub Copilot」3000人に配布も基本機能しか使われない 保険大手が得た教訓
-
10
業務引き継ぎで困ったこと 大企業200人調査で判明した課題の第1位は
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
4
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
8
AIエージェントで成果は出る? 調査結果に見る費用対効果の実態
-
9
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
10
ゼロトラストにおける「IDaaSの課題」と補完すべき重要機能とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー