「モバイルデバイス管理」(MDM)製品と「エンタープライズモビリティー管理」(EMM)製品のどちらから発展したのか。この視点で「統合エンドポイント管理」(UEM)製品を評価すると、各製品の強みや弱みが見える。
前回「いまさら聞けない『UEM』とは? 『MDM』や『EMM』との違いを比較」は、PCやタブレットといったエンドポイントを一元管理できる「統合エンドポイント管理」(UEM)製品の成り立ちと、同じくエンドポイントを一元管理する「モバイルデバイス管理」(MDM)製品や「エンタープライズモビリティー管理」(EMM)製品との違いを説明した。今回は誕生の経緯の違いに着目して、主要なUEM製品の特徴を紹介する。各製品の情報は、2020年1月時点の情報に基づいており、今後変更になる可能性がある。
UEM製品を大別すると「クライアント管理」(もしくは「IT資産管理」)製品から発展してきたものと、MDM製品から発展してきたものがある。それぞれの分野における製品の一例を紹介する。
エムオーテックスの「LanScope Cat」は、調査会社の富士キメラ総研が2019年10月に発表した「2019 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」の「IT資産管理ツール」分野において国内シェア(金額ベース)トップの34.4%を占める。ハードウェア資産管理やソフトウェアライセンス管理などクライアント管理製品としての基本機能に加え、操作ログの収集やUSBメモリなど外部媒体の制御も可能だ。ただしUEM製品として評価する場合、モバイルデバイスを管理する機能は別製品「LanScope An」を用意する必要があり、連携はできるものの単一コンソールでの一元管理はできない点に注意してほしい。
Skyの「SKYSEA Client View」は、オプション機能「SKYSEA Client View for MDM」を組み合わせることでUEMを実現する。国産のソフトウェアで、メニュー画面には機能が一目で分かる大きなアイコンを配しており、直感的に操作しやすい。LanScope Catと同様に、クライアント管理製品としては必要十分な機能を有している。MDMとしては「iOS」と「Android」を対象にしているが、iOS向けにアプリケーションの配布ができなかったり、Android向けに利用制限の設定ができなかったりと、機能は限定的だ。
Ivanti(旧LANDesk Software)のクライアント管理製品は、LANDeskの前身であるLANSystems設立の1985年以来、長い歴史と知名度があり、世界中で広く使われている。ただし合併・買収(M&A)を繰り返して製品を拡充したためラインアップが複雑で、ユーザー企業にとってはどの製品が最適か分かりにくい可能性がある。UEMを実現するには、エンドポイント管理機能に特化した「Unified Endpoint Manager」とエンドポイントセキュリティ機能に特化した「Endpoint Security Manager for Endpoint Manager」を組み合わせる必要がある。
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