IoTセキュリティベンダー5選【後編】
IoTセキュリティ製品選びで知るべき「Fortinet」「SonicWall」「VDOO」の違い
IoTデバイスを狙う攻撃に対抗するIoTセキュリティ製品。その主要ベンダー各社にはどのような特徴があるのか。
ネットワークに接続してさまざまな情報を送受信するIoT(モノのインターネット)デバイスは、データを収集する手段であると同時に、攻撃者の侵入口にもなり得る。IoTデバイスを保護するためのセキュリティ製品を提供するベンダーについて、前編「IoTセキュリティ製品選びで頭に入れておきたい『Armis』『CENTRI』の違い」はArmisとCENTRI Technologyを取り上げた。後編は、残るIoTセキュリティベンダー3社と各社のIoTセキュリティ製品を紹介する。
3.Fortinet
Fortinetは「セキュリティファブリック」という概念を掲げている。「ファブリック」は「布」の意味で、クラウドストレージやエンドポイントといったシステム全体を布で覆うような包括的セキュリティ対策を実現することが、セキュリティファブリックの骨子だ。セキュリティファブリックを具現化する同社製品は、管理対象のIoTデバイスにおいて、必要なときに必要なセキュリティ機能を利用できるリアルタイム保護を実現可能にする。
均一なガバナンスを効かせられる点も、セキュリティファブリックがもたらすメリットだ。全てのエンドポイントに対して同じポリシーを適用できる。Fortinetは特定用途向けの集積回路「ASIC」(Application Specific Integrated Circuit)を独自に設計し、ソフトウェア形式のIoTセキュリティ製品と比べて処理速度を高めている。
4.SonicWall
SonicWallはさまざまなファイアウォール製品を取りそろえる。同社のファイアウォール「TZ」シリーズは、サブネット単位の細かいネットワーク監視ツールとして効力を発揮する。TZシリーズ同士を連携させることで、いずれかのTZシリーズが攻撃を受けると、その攻撃に関する情報を社内の全TZシリーズで共有できる。こうした機能は、中小企業、リモートオフィス、ブランチオフィスにとって選択肢になり得る。
5.VDOO Connected Trust
スタートアップ(設立間もない企業)であるVDOO Connected Trust(以下、VDOO)はDell Technologiesのベンチャー投資事業部門Dell Technologies Capitalの出資と、ベンチャーキャピタル(投資会社)WRVI Global Capital ManagersおよびGGV Capitalからの資金提供を得て設立された。VDOOのIoTセキュリティ製品は機械学習を利用する。IoTデバイスが攻撃を受けた際にどのような挙動をしたのかを学習し、その結果を基にセキュリティ上の問題を検出する。その後、要注意であることを示すフラグを設定したり、問題に対処したりすることが可能だ。機械学習を利用することで、新種の攻撃に備えるための予測もできる。
「ベンダーや種類を問わず、全てのIoTデバイスを包括的に保護する」ことがVDOOの戦略だ。VDOOはIoTデバイスに関するデータベースを作成し、各IoTデバイスに関する脆弱(ぜいじゃく)性とセキュリティガイドラインへの準拠状況の両方を保管する。この情報をIoTデバイスベンダーのWebサイトで入手できるファームウェア情報や入力値の情報と照らし合わせ、IoTデバイスごとに利用可能なオプションやパッチを提示する。IoTデバイスベンダーはこのデータベースに情報を直接提供することもできるが、該当IoTデバイスのセキュリティを最適化するためのルールはVDOOが生成する。
IoTデバイスのセキュリティは、企業ITが多様化するにつれてますます複雑になる。何百台、何千台ものIoTデバイス全てを包括的に管理することは難しい。理想と現実のギャップを埋めるには、本稿で取り上げたIoTセキュリティ製品など専用の技術や製品・サービスを導入すべきだろう。
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