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ランサムウェア「Conti」のまさかの被害者 バックアップ企業が負った痛手とは?
システムを保護することを専門とするベンダーも、サイバー攻撃の被害に遭うことがある。バックアップ用ストレージベンダーのExaGridがランサムウェアに感染し、260万ドルの身代金を支払った。
バックアップ用ストレージベンダーのExaGridがランサムウェア(身代金要求型マルウェア)「Conti」攻撃を受け、金銭的な損害を被った。
“バックアップのプロ”がランサムウェア攻撃の被害者に
米TechTarget傘下のフランスのメディア企業LeMagITの取材によると、ExaGridは2021年5月初旬にContiに感染。暗号化されたデータへのアクセスを再び可能にするために、50.75ビットコイン(支払い当時は260万ドル相当)の身代金を支払った。LeMagITによれば、暗号化されたデータは容量が800GBを超え、ExaGridの従業員情報や取引に関する機密情報、税務書類などが含まれていた。これらのデータは、Microsoftのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)「SQL Server」やファイルサーバに保存されていた。
攻撃者はメモで「あなたのネットワークに侵入し、1カ月以上滞留した。全てのドキュメントを調査するのに十分な期間だ。ファイルサーバとSQL Serverを暗号化し、容量800GBを超える全ての重要な情報をダウンロードした」と伝えた。
ExaGridが身代金として支払った260万ドルは、攻撃者が当初要求していた748万ドルから大幅に減額している。ExaGridの担当者は2021年5月に攻撃者と何回か交渉し、要求金額の引き下げにこぎ着けた。
LeMagITの取材によれば、ExaGridは身代金を支払うことで復号ツールを入手したものの、復旧したデータを削除するミスを犯した。そのためExaGridは攻撃者にもう一回、復号ツールを要求することになった。攻撃者は要求に応じて1日以内に復号ツールを再度提供した。
ExaGridは主にデータ保護のための製品を提供するベンダーだ。そうした企業がランサムウェア攻撃を受けた衝撃は大きい。ExaGridは2020年12月に、ランサムウェア攻撃から復旧するための製品で業界の表彰を受賞していたばかりだった。
拡大するContiの執拗な攻撃
Contiの攻撃者は相変わらず活発な活動を続けている。2021年5月には米国で多数の企業が攻撃を受けた他、アイルランドの医療システムも攻撃を受けて停止した。こうした状況を受け、米連邦捜査局(FBI)はセキュリティに関する警告を発した。
不正アクセスが検出されず、攻撃者が標的のネットワーク内に偵察のために長時間滞留することがContiによる攻撃の特徴だ。ExaGridとアイルランドの医療システムへの攻撃は、両方とも攻撃者がデータを暗号化する前に何週間もネットワーク内に滞留してデータを調査していたとみられる。
石油パイプライン企業Colonial Pipelineも2021年5月にランサムウェア攻撃を受けた。システムが停止して燃料を提供できなくなり、米国の複数の州が燃料不足に陥る危機に面した。Colonial Pipelineはデータを復旧するために、攻撃者に500万ドルの身代金を支払ったとされる。これを背景に、ランサムウェア攻撃は米国で国家安全保障の問題にもなっている。
米国政府は企業をネットワーク侵害やランサムウェア攻撃から守るために、セキュリティの新しいガイドラインを作り、セキュリティ対策の強化を図っている。
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