匿名掲示板への投稿から、映像のライブストリーミング配信サービス「Twitch」のさまざまなデータが盗難に遭った可能性があることが明らかになった。事件に対する犯人と運営の動きは。
映像のライブストリーミング配信サービス「Twitch」を運営するTwitch Interactiveは2021年10月、データが盗まれた可能性があると発表した。米匿名掲示板「4chan」に、Twitch Interactiveから漏えいしたとみられる約125GB分のデータのダウンロードリンクが投稿されてから数時間後のことだった。同社が短文投稿サイト「Twitter」で公開した声明は以下の通りだ。
データが漏えいしたことを確認しました。被害範囲を把握するため、当社のチームが緊急調査を実施しています。新たな情報が分かり次第お知らせします。皆さまの忍耐に感謝します
2011年に提供が始まったTwitchは、主にゲーム配信者が利用するサービスだ。Amazon.comは2014年に9億7000万ドルでTwitch Interactiveを買収した。
攻撃者は、Twitch Interactiveがバージョン管理システム「Git」を使って社内で管理していた、Gitリポジトリ(ファイルやディレクトリの情報を蓄積する貯蔵庫)約6000件にあったソースコードのデータを入手した。その後、これらのデータへのダウンロードリンクを4chanに投稿したとみられる。データの具体的な内容は以下の通りだ。
投稿者のデータ盗取の主な動機は、Twitchコミュニティーに関連するものだったという。「腐敗にまみれたコミュニティーにうんざりする。そこでわれわれは、ビデオストリーミング分野での混乱と競争を促進する目的で、彼らを完膚なきまでに打ち負かした」と投稿者は4chanに記した。今回のリークは「パート1」であると言い、さらなるデータ盗取も示唆した。「ジェフ・ベゾス氏はこれらのデータを手に入れるために9億7000万ドルを投じた。われわれは“無料で”配布する」(投稿者)
この投稿は削除されたものの、米TechTargetは、Twitch Interactiveから漏えいしたとみられるデータのダウンロードリンクが有効であることを独自に確認した。Twitch Interactiveはこのデータの真偽に言及しなかったが、さまざまな配信者が「データ中の自分への支払額は合っている」とツイート(Twitterに投稿)した。
米TechTargetがTwitch Interactiveにコメントを求めたところ、同社はTwitterで発表した声明のコピーを送ってきただけで回答はせず、データ漏えいの詳細にも触れなかった。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「生成AIで作った広告」が物議 そのとき、コカ・コーラはどう動いた?
生成AIを広告制作に活用し、議論を呼んだCoca-Cola。この経験から何を学んだのか。
新規顧客獲得と既存顧客のLTV向上、それぞれのCRO(コンバージョン率最適化)について
連載第4回の今回は、新規顧客の獲得と既存顧客のLTV(顧客生涯価値)、それぞれのCRO(コ...
「広報」への期待 B2BとB2Cの違いは?
日本広報学会が上場企業経営者を対象に「広報の定義」に関する意識調査を実施した。