「Windows 11」の登場は、PCベンダー各社による新製品ラッシュを引き起こした。「Surface Pro 8」をはじめとするWindows 11搭載の「Surface」シリーズは、PC市場にどのような影響をもたらすのか。
2021年秋、Microsoftが提供開始した新OS「Windows 11」と、それに最適な形に設計した2-in-1デバイス(ノートPCとしてもタブレットとしても使えるデバイス)「Surface」シリーズの新製品。前編「Windows 11のためのSurface『Surface Laptop Studio』は“あれ”がすごい」はSurfaceシリーズ最上位機種「Surface Laptop Studio」を中心に取り上げた。後編となる本稿は、標準機種「Surface Pro 8」の目玉機能を紹介する。
MicrosoftがSurface新製品販売の「けん引役」に位置付けているのがSurface Pro 8(写真)だ。Surface Pro 8は、13型のタッチディスプレイや最大32GBのメモリを搭載。CPUはIntelの「Core i5」か「Core i7」を選択できる。米国のMicrosoft公式サイトでの価格は1099.99ドルから。
Surface Pro 8と上位機種「Surface Laptop Studio」はSurfaceシリーズで初めて、Intelらが開発している高速データ伝送技術「Thunderbolt」を採用した。両製品は以前、Surfaceシリーズ専用のドッキングステーション(周辺機器を一括接続できるデバイス)にしか接続できなかった。
今回はUSB4に準拠した「Thunderbolt 4」のポートを備え、さまざまなベンダーのドッキングステーションに接続できるようになった。Thunderbolt技術は広く普及しており「ユーザーから強い要望があったため、今回Microsoftも採用した」と、調査会社Gartnerのアナリスト、スティーブン・クラインハンス氏はみる。
DellやHP、Lenovo、Acerといった他のPCベンダーも、Windows 11搭載のデバイスを順次発売している。調査会社Constellation Researchのアナリスト、ホルガー・ミューラー氏は「Windows 11とSurface新製品の登場によってPCベンダーがこぞって新製品を出し、競争が激化。PC市場が活性化するのは必至だ」とみる。
Microsoftは折り畳み式デュアルディスプレイスマートフォン「Surface Duo 2」も販売開始した。Samsung Electronicsのスマートフォン「Galaxy Z Flip3」「Galaxy Z Fold3」の対抗馬になる。Surface Duo 2は背面に広角、望遠、超広角の3眼レンズカメラを備える他、閉じた状態で通知を表示する小型ディスプレイを搭載。通信規格は「5G」(第5世代移動通信システム)に準拠する。米国のMicrosoft公式サイトでの価格は1499.99ドルから。
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