テレワーカーや個人事業主が普段の勤務場所として利用するコワーキングスペース。ニューオーリンズで起きた停電の影響で、コワーキングスペースの新たな役割が見いだされようとしている。それは何なのか。
「コワーキングスペース」は、オフィスが自宅から遠いものの、常時自宅で仕事をすることを望まないテレワーカーを引き付ける可能性がある。さらにコワーキングスペースが役に立つ別の理由が、米ニューオーリンズの事例で明らかになった。
ハリケーン「アイダ」の被害に見舞われて数日たった2021年9月、ニューオーリンズの中心にあるビジネス地区とフレンチクオーター地区の一部で電力が復旧した。この地でコワーキングスペースを運営する400 Poydras Enterprises(Connect Hub Coworkingの名称で事業展開)は、電力復旧の恩恵を受けた。Connect Hub Coworkingが入居するオフィスビルには発電機があり、非常通報システムと照明に必要な電力をまかなえるため、スタッフは営業再開に向けて準備を進めることができた。
ニューオーリンズの大都市圏の住宅街では、当時まだ電力が復旧していなかったという。一方でConnect Hub Coworkingは「ニューオーリンズのビジネス街で最初に営業再開するオフィスビルだった可能性がある」と、同社シニアプロパティマネジャー、クリスティアナ・ドナホー氏は話す。
コワーキングスペースがあれば、今回のような災害に見舞われたときでも「仕事を続けることができる」とドナホー氏は話す。
「会社のオフィスに行くことはできないが、自宅で常に仕事をすることを望まない人に、代わりの働く場所を提供できる」。コワーキングスペースの所有者は総じて、こう主張する。エンドユーザーの中には、同じ地域に住むテレワーカーとの交流拠点としてコワーキングスペースを利用する人もいる。
プライベートオフィスとコワーキングスペースを提供するVenture Xのオーナー、トッド・ネルソン氏は「テレワーカーに対するセールスポイントは、コワーキングスペースがあれば注意散漫になる状況から逃れられることだ」と話す。ネルソン氏は、コワーキングスペースは生産性向上にも役立つと考えている。「ある男性から今すぐコワーキングスペースを利用したいという問い合わせの電話を受けたことがある。もう限界だという男性の電話口からは、子どもの泣く声が聞こえた」(同氏)
Venture Xのオフィスは、ネットワーク接続を確実に確保するために2社のインターネットサービスプロバイダー(ISP)と契約している。予備電力はないものの、同社のコワーキングスペースはダラスラブフィールド空港に隣接している。「オフィスの場所が停電時の電力復旧までの期間にプラスの影響をもたらすことを期待している」とネルソン氏は話す。
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