黒人などのマイノリティー技術者の増加に向けて、NokiaはITに関する無料のオンライン奨学金プログラムを実現した。「ナノ学位」を取得できるプログラムの詳細とは。
前編「黒人技術者がほぼいない 『多様性』からは遠いIT業界の“悲しい現実”」は、IT業界における人種的な多様性について紹介した。後編は、Nokiaが実現した無料オンライン奨学金プログラムの詳細を紹介する。同社はIT分野中心のオンライン講義サービス「Udacity」を運営する同名企業と、IT業界の黒人コミュニティーBlacks In Technology Foundationと提携して、このオンライン奨学金プログラムを実現した。
オンライン奨学金プログラム は、プログラミング言語「Python」「Java」を用いたプログラミング やデータ構造、アルゴリズム、DevOps(開発と運用の融合)などの講座で構成される。プログラムを修了した受講生は、“ITの学位” として認知されているUdacityのナノ学位(Nanodegree)を取得できる。ナノ学位は、Udacityの特定コースを修了すると得られる修了証明資格だ。
Nokiaは講座を全てオンラインで提供するため、受講生は時間や場所に縛られずに受講できる。受講対象者は学生や再就職を目指す人で、受講生はBlacks in Technology Foundationのサポートやネットワークを使い、指導や就職支援を受けることもできる。オンライン奨学金プログラムは主に米国人を対象としているが、所定の条件を満たす人は誰でも応募できる。
IT業界での多様性の欠如を指摘する声がある。多様性の欠如による固定観念や不寛容さは、社会的少数者がIT業界に興味を失ったり、IT業界から離れたりするきっかけになりかねない。
「多様性のあるビジネスは、より良い結果を出す」と、Nokiaのサステナビリティ(持続可能性)部門のグローバルヘッドであるカロリーナ・ロイッカネン氏は指摘する。ITを生み出す人も、ITを使う人も多様であることが理由だ。Nokiaはオンライン奨学金プログラムの修了者に、同社の入社試験への参加を促す。過去には、Udacityの修了生が、Facebook、Google、IBMといった企業に就職した例がある。
Nokiaのオンライン奨学金プログラムの申し込みは、2021年9月27日(現地時間)まで。2021年11月時点では応募が終了している。
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