スマートフォン市場の“怪”【後編】
「iPhone」好調、“中華スマホ”は明暗くっきり スマホ出荷台数シェアを見る
Samsung ElectronicsとAppleの2強がスマートフォン市場を引き続きけん引。中国ベンダー各社は明暗が分かれる――。スマートフォンの出荷台数シェアから、各社の動向を探る。
前編「『iPhone』は売れたのにスマホ市場が縮小した理由」は、2021年第3四半期(2021年7月~9月)のスマートフォン市場の概況を紹介した。後編となる本稿は、同期における各スマートフォンベンダーの出荷台数を紹介する。
調査会社Informa Tech(Omdiaの名称で事業展開)の調査でトップに立ったSamsung Electronicsの2021年第3四半期の出荷台数は6920万台となり、前年同期比で14.8%減少した。ただし2021年第2四半期(2021年4月~6月)と比べると、同社の出荷台数は20.9%増えている。Omdiaによると、Samsung Electronicsの2021年第2四半期のスマートフォン製造は、製造拠点のあるインドとベトナムで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)デルタ株が広がった影響で後退した。
iPhone好調の裏で“中華スマホ”は明暗分かれる
Appleは2021年第3四半期の業績が好調だったことから、世界のスマートフォン出荷台数でXiaomiに代わって2位に浮上した。Appleの出荷台数は前期比17.6%増、前年同期比で22.7%増だった。同社の2021年第4四半期の出荷台数は5090万台で、2020年第3四半期の4150万台から増加した。Omdiaは、2020年のように新製品の出荷が第4四半期にずれ込むことなく、2021年第3四半期にスマートフォン「iPhone 13」を投入できたおかげだと解説している。
旧バージョンである「iPhone 12」の好調な売れ行きは、iPhone 13の発売後も続く見通しだ。ただしOmdiaは、AppleのiPhone 13製造目標は、最近の部品不足の影響で引き下げられたと推測する。
2021年第3四半期は3位だったXiaomiの出荷台数は4560万台で、2020年第3四半期比で2.5%増、前期比では8.6%減少した。2021年第3四半期の4位はOPPO(Guangdong OPPO Mobile Telecommunications)、5位はvivo Mobile Communicationだった。OPPOの出荷台数は3320万台と、vivo Mobile Communicationの3260万台をわずかに上回った。前年同期比ではOPPOの出荷台数は18.6%、vivo Mobile Communicationは8.0%、それぞれ増加した。
Honor Deviceの出荷台数は、2021年第3四半期は6位だった。出荷台数は同年第2四半期の670万台から、同年第3四半期は1450万台に増えた。同社は、Huawei Technologiesから2020年に独立。Huawei傘下だったころには、同社のブランドのスマートフォンではGoogleが提供するサービスやアプリケーションを利用できなかった。
Omdiaによると、Honor Deviceは地元中国の市場で回復を遂げて国際市場に再参入。独立に伴い、Googleが提供するアプリケーションをまとめた「Google Mobile Services」をプリインストールした端末を出荷できたことから、「Gmail」や「Google Maps」などGoogleが提供するアプリケーションを利用できるようになった。
Motorola Mobilityの2021年第3四半期の出荷台数は、前年同期比で16.7%増加。2020年第3四半期の1050万台から、2021年第3四半期は1230万台となった。出荷台数は前期比でも16.0%増加した。
10位のHuawei Deviceは、2021年第3四半期の出荷台数は580万台にとどまり、前年同期より84.9%減少した。2021年第2四半期の980万台からは40.8%減だ。Huawei Deviceは現在、中国市場に照準を据えているものの、国際市場を諦めたわけではないとOmdiaはみる。
Omdiaのワイヤレスデバイス担当シニアリサーチマネジャー、ジャシー・ホン氏は、2021年初めから続いている半導体関連部品の品薄が、同年上半期(1月~6月)ではなく、同年下半期(7月~12月)の出荷台数に影響を及ぼしていると指摘する。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIに何を聞いても「汎用的な答え」しか返ってこないのはなぜか? -
製品資料
[サイボウズ株式会社] なぜAIは組織で定着しないのか? 全社活用を阻む「3つの壁」の突破法 -
製品資料
[株式会社スタディスト] 「不適合品率」改善はどこから始める? すぐにできて効果が大きいポイントとは -
製品資料
[株式会社スタディスト] 食品ロスを利益に変える「現場標準化」のすすめ -
技術文書・技術解説
[株式会社スタディスト] チョコ停・ドカ停を防ぐ「事前対策」の進め方
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
いまIBM iエンジニアが直面する「5つの技術的課題」とその解決策
-
2
SAPの負荷増に苦しむZeissが「リアルタイム分析」「安定運用」を両立させた道
-
3
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
4
【基本情報技術者試験】データ消失リスクを防ぐ3つの「バックアップ手法」を比較
-
5
なぜ「Claude Code」拡張は消しても危ないのか? Cursorで不正版配信
-
6
脱VMwareの真実:データセンター大手がNutanixを選んだ「コスト以上の理由」
-
7
なぜMicrosoftは「Rust」を標準言語に? AIで進むC/C++書き換えの課題
-
8
“クラウド安全神話”の崩壊 AWS、Azure障害で情シスが直面した「SLAの死角」
-
9
8割がアナログに逆戻りする“やっぱりな理由” DXを阻む2つの落とし穴
-
10
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
2
顧客対応自動化の要点:RAGとデータ連携で“業務で使える生成AI”にする方法
-
3
侵入から横展開まで27秒の脅威にどう立ち向かう? 防御のカギがEDRの理由
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
マンガで解説:情シスの負担を減らす「MDRサービスのインシデント対応」の中身
-
6
有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは
-
7
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
8
なぜAIは組織で定着しないのか? 全社展開を阻む「3つの壁」と突破のヒント
-
9
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
10
パスワードレスへの移行で失敗しないためには? 導入・運用上の注意点を解説
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー