米国の制裁を受けて登場
「Android」「iOS」との比較は無意味? Huawei新OS「HarmonyOS」の本当の狙い
Huawei製スマートフォンで「Android」が使用できなくなったことを受け、Huaweiは新しいOS「HarmonyOS」を開発した。HarmonyOSの特徴とは。スマートフォン市場で普及するのか。
Huawei Technologiesが独自に開発したOS「HarmonyOS」は、Googleの「Android」とAppleの「iOS」の独占状態が続くスマートフォン向けOS市場の中で、シェアの獲得に苦戦する――。アナリストはこう予想する。
HarmonyOSが登場した背景には、米国が2019年に起こしたHuaweiに対する制裁がある。制裁によってHuaweiは、Androidの新機能やセキュリティアップデートが利用できなくなった。Huawei製スマートフォンのユーザーがGoogleのアプリケーションストア「Google Play」で人気アプリケーションをダウンロードすることもできなくなった。
MicrosoftやSamsung Electronicsが敗北したスマートフォン市場でHuaweiが成功することについて、アナリストは懐疑的だ。MicrosoftのスマートフォンOS「Windows Phone」もSamsungのスマートフォンOS「Tizen」も、AndroidやiOSから市場シェアを奪うことはできなかった。調査会社Gartnerのアナリスト、ツオン・グエン氏はHarmonyOSについて「それほどの成功を収められない」と予想する。
打倒Android、iOSではない HarmonyOSの“本当の狙い”
HarmonyOSはAndroidアプリケーションを実行することが可能だ。ただしHarmonyOSユーザーはGoogle Playのような大手アプリケーションストアで簡単にアプリケーションを入手できないため、わざわざ別のWebサイトからスマートフォンアプリケーションを探してダウンロードする必要がある。「消費者はその不便さを受け入れるくらいなら、Android端末を購入するだろう」とグエン氏は言う。
調査会社IDCのアナリスト、ライアン・リース氏は「HuaweiはAppleやSamsungとは異なり、自社のスマートフォンブランドを支持する顧客層を中国以外で確立できていない」と指摘。制裁をきっかけに、消費者はHuawei製スマートフォンから離れるとみる。
制裁以降、Huaweiの世界販売は大きく落ち込んでいる。Gartnerによると、Huaweiのスマートフォン市場における販売台数シェアは、2019年第1四半期(1月~3月)には15.7%で2位だった。2021年第1四半期にはシェアトップ5から姿を消した。
Androidを利用できなくなったことで、Huaweiは販売チャネルも失っている。リース氏によると、家電量販店大手のBestBuyなど一部の小売店とHuaweiの提携関係は、販売できるAndroid端末がなくなったことが原因となり消滅した。「販売チャネルは成功実績がないエコシステム(協業・共存関係)を支持しない」とリース氏は話す。
「あらゆるデバイスで動くOS」を目指すHarmonyOS
開発者に対してHuaweiは「HarmonyOSアプリケーションは多数のデバイスで実行できる」と売り込んでいる。例えばHarmonyOS向けスマートフォンアプリケーションは、そのままHarmonyOSを搭載したスマートウォッチやタブレット、スマートTVでも実行できる。
Huaweiの米パートナー関係バイスプレジデントのティム・ダンクス氏によると、同社がHarmonyOSで目指すのは「単なる新しいスマートフォン向けOSではなく、あらゆるデバイスで実行できるOS」だという。同社は2019年に初めて、IoT(モノのインターネット)デバイスで動作するHarmonyOSを提供開始した。
2021年に、Huaweiは折り畳み式スマートフォン「HUAWEI Mate X2」、スマートウォッチ「HUAWEI WATCH 3」、タブレット「HUAWEI MatePad 11」など、HarmonyOSを使った複数の製品を発表した。スマートフォンやタブレットなど既に存在する100種類以上のHuawei製デバイスについても、HarmonyOSへの移行を進めるという。
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