前編「『ギガビット回線』は学校をどう変えたのか? 英国が1000校以上に回線整備」は、1Gbps以上のデータ通信速度でインターネットに接続できる高速回線(ブロードバンド)の利用エリアを英国全土に拡大させる英国政府のインフラ戦略を説明した。この戦略は、ブロードバンドの導入が難しかった1000校以上の教育機関をフルファイバーブロードバンド(注1)に接続した。
※注1:ユーザーの下まで直接光ファイバーケーブルを引き込むことで高速データ通信を実現するサービス。
前編:「ギガビット回線」は学校をどう変えたのか? 英国が1000校以上に回線整備
英国政府は、2022年3月までに2億1000万ポンド(約324億円)以上をこの戦略に費やす。これは主に、同政府が進める2つのプログラムを合わせた予算だ。このうち1億8080万ポンドは、フルファイバーブロードバンドを教育機関、図書館、医療センター、コミュニティーショップ、村役場などの公的施設へ展開するプログラム「Local Full Fibre Networks」(LFFN)の一環として投資する。もう一方のプログラムは「Rural Gigabit Connectivity」(RGC)だ。RGCでは、商業投資の恩恵を受けにくい場所を政府と、そのパートナーの組織が支援することで、フルファイバーブロードバンドの提供エリア拡大を目指す。RGCの一貫として、教育機関を含む公共施設のネットワークをアップグレードするために3100万ポンド以上を投資する。
英国政府は2022年3月末までにイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドにある病院や一般開業医の診療所、消防署、レジャーセンター、博物館、図書館など約6800カ所の公共施設でフルファイバーブロードバンドへの接続を進めると発表している。この取り組みも、政府による2億1000万ポンドの投資の一部だ。この投資には、インターネットサービスプロバイダー(ISP)が、政府からの支援を受けてブロードバンドに接続した施設の周辺地域に、自社のネットワークを拡大させやすくする目的もある。
英国政府は2021年、無線ネットワークインフラ戦略の立案も発表した。この戦略は、「5G」(第5世代移動通信システム)を含む無線ネットワークインフラ構築のためのビジョンを定める。英国で今後10年間に生まれる無線ネットワークに関するニーズを予想して投資を支援するために、政府が果たすべき役割を設定する意味合いもある。これはイノベーションや競争、将来のネットワークへの投資を促す新たな政策枠組みを導入することにもつながる。
この戦略を進めるに当たって英国政府は、広く情報の提供を求める「Call for evidence」(根拠に基づく情報提供の照会)を実施した(募集は2021年12月に終了)。同政府は、以下の点について情報を得ようとしている。
英国政府は2022年に無線ネットワークインフラ戦略を発表する。
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