攻撃ツールの変化は、攻撃者が生まれる仕組みにも変化を起こしている。工場のように攻撃者を生み出す可能性があるという、警戒すべき仕組みとは何か。
2022年7月にHPが発表したセキュリティ調査のレポートによると、ダークWeb(通常の手段ではアクセスできないWebサイト群)では、脆弱(ぜいじゃく)性を突く攻撃プログラム(エクスプロイト)やマルウェアといった攻撃ツールを低価格で入手できるようになっている。攻撃ツールの購入しやすさは、攻撃者の生まれ方にも影響を及ぼし始めている。どういうことなのか。
HPはフォレンジック(サイバー攻撃の法的証拠の収集)事業を手掛けるForensic Pathwaysと共同で3カ月間、ダークWebの交流サイトから約3500万件の投稿を収集して分析。サイバー犯罪者がどのように活動し、評判を築くかに光を当てた。
サイバー犯罪に手を染めるハードルが下がっていると、HPシニアマルウェアアナリストのアレックス・ホランド氏は説明する。「以前は高度な技術のノウハウやスキルが必要だったが、今では知識も含め、攻撃に必要なリソースを外部から低価格で購入できる」とホランド氏は言う。
ホランド氏によれば、近年の攻撃は企業のデータ盗難に加え、配送の遅れや病院の予約キャンセルといった被害ももたらし、影響の範囲が広がっている。その背景にあるのは、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)の普及だと同氏は説明する。
攻撃者の間では、第三者が開発したランサムウェアをサービスとして利用する動きがあり「『個人』でも攻撃者になりやすくなっている」とホランド氏は語る。「RaaS」(Ransomware as a Service)とも呼ばれるこうした仕組みは、工場のように大量の攻撃者を生み出す恐れがある。そのため企業にとってランサムウェア攻撃がより難しくなってきているという。
第3回は、最近のサイバー犯罪の仕組みの詳細を見る。
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