モバイルOSの種類によって、ユーザーのセキュリティ意識は異なる。「Android」と「iOS」にはどのような違いがあるのか。モバイルデバイスを活用する企業が注意するべきポイントとは。
セキュリティベンダーLookoutはモバイルセキュリティに関する調査を実施した。同社は2021年2月から2022年3月にかけて、全世界の2億台超のモバイルデバイスと、約1億6000万件のモバイルアプリケーションからテレメトリ(監視や分析を目的にした、利用状況に関するデータ)を収集し、分析した。この調査によると、モバイルアプリケーションにおける脅威の状況は、モバイルOSの「Android」と「iOS」で大きな違いがあることが分かった。
Lookoutの調査によると、オーストラリアにおけるモバイルデバイスの脅威は、OS別に見ると「Android」(1.2%)よりも「iOS」(30.1%)の方が多かった。
「この調査結果から、iOSユーザーのセキュリティに対する油断が見て取れる」。Lookoutでアジア太平洋および日本担当のシニアディレクターを務めるドン・タン氏はこう語る。Appleのモバイルデバイスには「セキュリティが強固だ」という評判がある。そのためiOSユーザーは、セキュリティに対する危機意識が低くなりがちだタン氏は分析する。
どのベンダーのモバイルデバイスであっても、何も疑わずに「安全だ」という前提で操作するのは危険だ。ユーザーは利用するモバイルデバイスに関わらず、一貫したセキュリティ対策を適用すべきだ。
調査会社IDCでエンタープライズモビリティおよびエンドポイント管理のプログラム担当バイスプレジデントを務めるフィル・ホッホマス氏は、次のようにコメントする。「モバイルデバイスが企業の従業員にとっての主要デバイスになりつつある」。それに伴い、企業のセキュリティチームは、以下2つをより広範かつ戦略的に考える必要がある。
モバイルセキュリティは、企業におけるデバイス管理の、単なる“おまけ”ではなくなっている。ホッホマス氏は企業に対し、「社内の全てのスマートフォンとタブレットが、自社を狙うサイバー攻撃の入り口になるのだと考えるべきだ」とアドバイスする。
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