Dropboxのソースコードを「GitHub」で流出させたフィッシング攻撃の手口フィッシング攻撃を受けたDropbox【前編】

オンラインストレージサービスを手掛けるDropboxはフィッシング攻撃を受け、GitHubで管理するソースコードに不正アクセスがあったと発表した。攻撃の手口や影響は。

2022年12月28日 05時00分 公開
[Alex ScroxtonTechTarget]

 2022年11月(米国時間、以下同様)、オンラインストレージサービスを手掛けるDropboxは、同社が受けたフィッシング攻撃についての詳細を公開した。攻撃者の手口は、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツール「CircleCI」を装ったメールを介したものだった。

Dropboxを狙ったフィッシング攻撃 手口と被害は?

 Dropboxはソースコードの一部をコード共有サービス「GitHub」で管理している。CircleCIにはGitHubのユーザー認証情報でログインができる。攻撃者はメールで受信者が以下の行動を取るよう誘導し、GitHubのユーザー認証情報を入手した。

  • 偽のCircleCIログインページにアクセスする
  • GitHubのユーザー名とパスワードを入力する
  • ハードウェアセキュリティキーを用いたワンタイムパスワードを偽サイトに渡す

 攻撃者は130個のコードリポジトリの窃取に成功した。不正アクセスの対象となったのは、Dropboxの開発者が使用するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)キーの他、従業員、顧客や見込み客、ベンダーなど数千人の氏名とメールアドレスを含むデータだった。

 以前から同様のフィッシング攻撃について警戒してきたGitHubは、10月14日、不審な動きについてDropboxに警告。同日中に攻撃者は撃退された。その後Dropboxのセキュリティチームは、不正アクセスを受けたデータを特定するために迅速な行動を取った。

 Dropboxの広報担当者は次のように述べ、顧客へのリスクは最小限にとどまったと説明している。「当社のコンテンツやパスワード、支払い情報は攻撃者の不正アクセスを受けていない。より厳重なアクセス制限をしているコアアプリケーションやインフラに攻撃の影響はなかった」

 第三者機関のサイバーフォレンジックの専門家による調査と監視の結果、2022年11月2日時点で、流出したデータが悪用されたという証拠は見つかっていない。

Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術

米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...