シンガポールの駅の地下街に、ハイテクな小売店舗のスペース「Hive 2.0」が誕生した。レジ不要のセブン-イレブン店舗が出店し、ロボットによる配送サービスも提供している。
人工知能(AI)技術とロボット工学を活用したハイテクな小売店舗が、シンガポールの駅構内のスペースに登場した。通勤客がレジを通さずに買い物をしたり、ロボットが飲料を配送したりする。
このスペースは「Hive 2.0」と呼ばれ、公共交通機関「MRT」のシティーホール駅とエスプラネード駅を結ぶ地下街「エスプラネード・エクスチェンジ」(Esplanade Xchange)に位置する。公共交通機関を運営するSMRT Corporation傘下のStellar Lifestyleが、コンビニエンスストアチェーンを展開する7-Eleven(セブン-イレブン)や、スタートアップのJavis Holdings、Quikbot Technologiesと協力して開発した。
Hive 2.0にあるセブン-イレブンの店舗は、スマートカメラとセンサーを店内に設置している。通勤客はクレジットカードを利用して入店し、必要な商品を手に取り、レジを通らずに店舗を出られる。代金は自動的にクレジットカードに請求される。
この店舗ではコンピュータビジョン(画像処理を通じて対象の内容を認識して理解するAI技術)を活用し、顧客が手に取った商品を識別している。セブン-イレブンは、店舗から得たデータを基に人気商品を特定して棚に補充する。
7-Elevenのシンガポール拠点でマネージングディレクターを務めるセリーン・セオウ氏は次のように話す。「われわれは顧客ニーズや労働市場の変化に適応する必要がある。イノベーションに取り組み、小売技術の最前線に居続けるために、この店舗は重要なマイルストーンになる」
近くの複合商業施設「サウスビーチタワー」の従業員は、セブン-イレブンで注文した商品を、自身のオフィスまでロボット(Quikbot Technologies製)に配送してもらうことも可能だ。この配送サービスは、注文品をまとめて運ぶ大型ロボットと、それらを小分けにしてオフィスまで配送する小型ロボットで成り立っている。
小型ロボットは、マシンビジョン(コンピュータビジョンの一種)とLiDAR(レーザーを使って距離を測定する技術)を活用して歩道を走行する。これらのロボットはビル管理システムに接続し、エレベーターを呼んで移動する。
今後は通勤客が電車に乗っている間にタピオカティーを注文し、Hive 2.0にある自動販売機(Javis Holdings製)で受け取れるようになる計画だ。この取り組みは、シンガポールの飲食店経営者が抱えるコストと労働力の課題に対応するものだ。
Stellar Lifestyleの社長であるトニー・ハン氏は「Hive 2.0はAI技術やロボット工学を活用して、小売業者が顧客ニーズの変化に対応できるように手助けする」と述べる。
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