Webサイトを閲覧するときに、自身に関するさまざまな情報が収集されることを嫌うエンドユーザーは少なくないはずだ。それを可能にするトラッキングの技術には、どのようなものがあるのか。
Webサイトを閲覧すると、そのエンドユーザーの属性やインターネットでの行動は、目に見えない形でさまざまな情報として収集される。企業はその情報を、一人一人のエンドユーザーに最適化して広告に生かすことができる。エンドユーザーの情報を集める技術には、どのようなものがあるのか。一つはよく知られている「Cookie」だが、それだけではない。8つのトラッキング技術とは。
Webサイトの閲覧者の身元を特定したり、行動を追跡したりするための主要な技術として、以下がある。
Cookieは、エンドエンドユーザーがWebサイトを訪問した際にそのデバイスのWebブラウザに記録される情報だ。Cookieには認証情報や閲覧履歴などの情報が保存され、エンドユーザーが次回同じWebサイトにアクセスした際にはそれらの再入力が不要になる。通販サイトでは、複数のWebページにわたってエンドユーザーの行動を追跡するためにCookieが使われることもある。
プログラミング言語「JavaScript」で記述されたプログラムを使うことで、Cookieよりも高度なトラッキングが可能になる。例えば、Webサイトにおけるエンドユーザーのクリックやフォーム送信といった操作を監視できる。
HTTPヘッダは、Webサイトをホストするサーバと、エンドユーザーのWebブラウザの間でデータを交換するための仕組みだ。HTTPヘッダにはエンドユーザーのIPアドレスやWebブラウザの種類、訪問したWebサイトなどの情報が含まれる。
デジタルフィンガープリンティングは、直訳すると「デジタル指紋の採取」という意味になる。デジタルフィンガープリンティングによって、ブラウザの設定やインストールされているプラグイン、OS、画面解像度、言語設定など、エンドユーザーのさまざまな情報が分かる。そのため、IPアドレスが隠されている場合でも、Webサイトを訪問したエンドユーザーを特定し、追跡できる。
大半のWebサイトには、広告企業やサービスプロバイダーなどサードパーティー(第三者)のトラッカー(トラッキングスクリプト)が組み込まれている。これらのトラッカーは、Webサイトを訪問したエンドユーザーの行動について情報を収集する。エンドユーザーが同意していない形で情報が収集されるケースもある。
一部のWebサイトでは、エンドユーザーの行動や操作に関して収集した情報をサーバに保存し、プロファイル作成に使用している。これをサーバサイド(サーバ側での)トラッキングと呼ぶ。
クロスサイトトラッキングでは、広告を出稿する企業などの第三者がデジタルフィンガープリンティングを使い、複数のWebサイトを行き来するエンドユーザーの動きを追跡する。この情報によって企業はエンドユーザーの興味や嗜好を分析し、ターゲティング広告に利用する。
検索エンジンはエンドユーザーの検索履歴を保存する。そのため、Googleをはじめとした検索エンジンの運用企業は、エンドユーザーの全ての検索履歴が分かる。
第4回は、匿名でブラウジングする方法を紹介する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
クラウド利用が当たり前となった今日、セキュリティ対策もまたクラウド環境に適したものでなくてはならない。とはいえ、大量のデータポイントが生成されるクラウド領域にあって、その全てのポイントを網羅するのは並大抵のことではない。
ビジネスでのAPI利用が進むにつれ、そのAPIを標的としたサイバー攻撃も増加している。それらに対抗するためには、「シャドーAPI」や「ゾンビAPI」を洗い出し、セキュリティ対策を徹底する必要がある。その正しい進め方を解説する。
ある調査で企業の61%がセキュリティ優先事項のトップ3に挙げるほど、重要度が高まっているアイデンティティー管理・保護。その中で昨今注目されているのが「IGA」というアプローチだ。そのメリットや、導入方法を解説する。
DX推進によってさまざまなビジネスシーンでデジタル化が加速しているが、そこで悩みの種となるのがセキュリティの担保だ。リソースやコストの制限も考慮しながら、DXとセキュリティを両輪で進めるには何が必要になるのか。
サイバー攻撃が巧妙化し、セキュリティチームとSOCは常に厳戒態勢を取り続けている。さらにデジタルフットプリントの拡大に伴い、セキュリティデータが絶え間なく往来する事態が生じている。このような状況に対応するには、SOARが有効だ。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...