PCの出荷台数が増加傾向にある中でも「AI PC」の販売が大きく伸びているとは言えない。だが今後は、ある時点からAI PCの販売が加速する可能性がある。
人工知能(AI)技術関連のタスク処理に特化したプロセッサを搭載する「AI PC」はまだ市場に本格的に浸透しているとは言えない。ただしPCベンダーは今後の販売については楽観的な見方を示している。ある時点からAI PCの販売が加速する可能性があるからだ。
Dell TechnologiesとHPの幹部は、2025年後半にはPCの売り上げが回復すると見込んでいる。その背景には、クライアントOS「Windows 10」のサポート終了がある。MicrosoftはWindows 10のサポート終了日を2025年10月に設定している。これに伴い「Windows 11」への移行が加速すると考えられる。「Windows 11への移行時にPCを買い替える際、企業は将来性を見据えてAI PCを選択する」というのが専門家の見方だ。一般的に、企業は3~4年のサイクルでPCを買い替える。
AI技術の進化に伴い、最終的にはAI PCの販売台数は伸びると調査会社IDCは見ている。「転換点が遅れるとしても、PCでAI処理を実行する『オンデバイスAI』が業界にプラスの影響をもたらすという見解は変わらない」とリース氏は述べている。
コンサルティング企業J.Gold Associatesのプリンシパルアナリストを務めるジャック・ゴールド氏は、2025年後半から2026年にかけて、AI PCがPC市場の成長に大きく貢献すると予測している。新しい技術が登場してから企業が本格的に導入を進めるまでには、一定の時間がかかるのが通例だ。
「企業が導入を決断するためには、明確な理由が必要だ」とゴールド氏は説明する。ソフトウェアメーカーが提供するAI機能は、企業全体のPCアップグレードを促すほどの魅力に欠けているという。
価格がまだ高額であることも導入の障壁になっていると考えられる。企業はAI PCの価格が800~1000ドル(大量購入時の一般的な価格帯)まで下がるのを待つとみられる。2025年1月に米ラスベガスで開催された電子機器の年次イベント「Consumer Electronics Show」(CES)では、半導体ベンダーのQualcomm TechnologiesがAIアプリケーション向けに開発したArmアーキテクチャのSoC(システムオンチップ)「Snapdragon X」シリーズを搭載した600ドルのPCを発表した。「どのような技術も、まずはハイエンド市場に登場し、やがて一般市場へと普及していくものだ」とゴールド氏は話す。
米国Informa TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
営業資料や議事録といった資料作成において、生成AIへの期待が高まっている。中でも注目したいのがZoomの生成AI機能だ。会議データからの資料作成は、生成AI活用でどのように効率化されるのか。動画で紹介する。
ビジネスパーソンが直面する課題としてしばしば挙げられるのがオンライン会議における内容のキャッチアップだ。その解消に向け生成AIアシスタントへの期待が高まっている。そこでZoomに搭載されたAI機能を基に、その活用方法を紹介する。
生成AIの登場によって企業や個人の知識活動は大きく変化した。一方で規制への対応や透明性の確保などが重要な課題になっている。本資料では、今後10年を見据え、AI技術がどのように進化し、企業にどのような対策が求められるのか解説する。
生成AIは企業の競争力を左右する技術として注目を集めているが、その導入にはデータ準備をはじめ、多くの課題が立ちはだかる。こうした中、注目を集めているのが、HPEとNVIDIAが提供するターンキー型のプラットフォームだ。
AI活用に必要なデータだが、日々生成されるデータの量が急増し、あらゆる場所に分散する今、複雑なクラウド環境でそれらのデータをどのように管理すべきかに悩む企業は多い。この問題を解消する、インテリジェントなデータ管理の方法とは?
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。