大手PCメーカー各社は、CES 2025でNPU(ニューラル処理装置)搭載の「AI PC」の最新ラインアップを紹介した。AI PCはどのように進化したのか。
PCメーカーのHPやLenovo、Dell Technologies、Acer、ASUSTeK Computer(ASUS)は、2025年1月に米ラスベガスで開催された電子機器の年次イベント「Consumer Electronics Show」(CES)で、AI(人工知能)専用プロセッサ搭載のPCである「AI PC」の最新ラインアップを紹介した。
HPは、ミニワークステーション「Z2 Mini」とモバイルワークステーション「ZBook Ultra」を発表した。同社はこれらのAI PC製品では、
などが可能になるとしている。HPのこれらの新しいAI PCは、半導体ベンダーAdvanced Micro Devices(AMD)のプロセッサ「AMD Ryzen AI Max PRO」を搭載している。
Lenovoはこのイベントで、以下によって強化されたユーザー体験のデモを披露した。
Lenovoの主力ノートPCである「ThinkPad X9」に搭載されたLenovo AI Nowは、Lenovoが「高度なオンデバイスAIアシスタント」と呼ぶものだ。Meta Platforms(Meta)のLLM「Llama 3」を基盤としたLLMを活用するLenovo AI Nowは、全てのエンドユーザーが使用する全てのデータをPCに保存して処理する。これによって「AI機能をリアルタイムに提供しながらエンドユーザーのデータを保護できる」とLenovoは説明する。Lenovo AI Nowでは、同社の説明によれば以下が可能だ。
LenovoはLenovo AI Nowの機能を、PCやタブレットにある情報を検索する機能や、画像や文書から関連情報を取得する機能などへと拡張していくとしている。
Dellは、PC上でのAI開発を簡素化することに重点を置いている。同社のAI開発ツールキット「Dell Pro AI Studio」は、
などを提供する。Dellは同ツールキットを使うことで、開発と展開にかかる時間を、6カ月からわずか6週間まで削減できるとしている。
MicrosoftのクライアントOS「Windows」搭載のAI PCブランド「Copilot+ PC」の新しいラインアップとして、AcerはノートPC「Swift Go 16 AI」「Swift Go 14 AI」、AIオールインワンPC(PC本体とディスプレイが一体化したデスクトップPC)「Aspire C」を追加した。
AcerのPC新製品はAMDのプロセッサ「AMD Ryzen AI 300」シリーズを搭載している。AMD Ryzen AI 300は、AI関連の処理に特化したプロセッサNPU(ニューラル処理装置)「AMD XDNA 2」を搭載しており、Acerによると、最大50TOPS(1秒間に50兆回の処理)の処理性能を実現。Swift Goシリーズの 新AI PCは、最大28時間のバッテリー持続時間を備えているため、1日中安心して効率的に使用できる。
これらの他、AcerはIntel Core搭載のデスクトップPC「Aspire S AI」とミニPC「Revo Box AI」も発表した。
ASUSは、半導体ベンダーQualcomm Technologiesが提供するArmアーキテクチャ(Armの設計)のプロセッサシリーズ「Snapdragon」搭載のCopilot+ PC「Zenbook A14」を発表した。このデバイスは「Snapdragon X」シリーズを搭載し、最大45ワットのTDP(Thermal Design Power)と45TOPSの処理能力を提供する。バッテリー持続時間は最大32時間となっており、バッテリーケアモードでさらに延長したりカスタマイズしたりできる。
(翻訳・編集協力:編集プロダクション雨輝)
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