PCの出荷台数は増加傾向にあるにもかかわらず、「AI PC」の販売は伸び悩んでいる。なぜAI PCは売れていないのか。
PCベンダーによる華々しい宣伝にもかかわらず、「AI PC」の販売は伸び悩んでいる。AI PCとは、人工知能(AI)技術関連のタスク処理に特化したプロセッサを搭載するPCのことだ。
調査会社IDCによると、2024年第4四半期(2024年10~12月)の世界のPC出荷台数は2023年同期比1.8%増の6890万台。2024年通年だと、2023年比1%増の2億6270万台だった。AI PCがPCの販売全体を大きく押し上げる効果はまだ見られない。何がAI PC導入の障壁になっているのか。
AI PCが普及しない要因の一つが、コストの高さだ。AI PCは「NPU」(ニューラル処理装置)など、AI関連のタスク処理に特化したプロセッサを搭載しているものの、それを必要とするソフトウェアが充実しているわけではない。経済の先行きが不透明な中で、企業は高額なAI PCへの投資に慎重な姿勢を崩していない。
「AI PCの具体的な活用事例がまだ確立されていない上、企業の資金繰りも厳しい状況では、販売が困難になるのは明らかだ」。こう指摘するのは、IDCのデバイス調査部門でプログラム担当バイスプレジデントを務めるライアン・リース氏だ。
他にも企業が懸念する点として、米国のドナルド・トランプ大統領が2025年2月以降に中国への関税を引き上げることを表明したことが挙げられる。多くの企業が中国のサプライヤーと取引関係にあり、こうしたマクロ経済の不安がAI PCのマーケティングに影を落としているとリース氏は説明する。
PC買い替えが鈍化する傾向は、大手PCベンダーの業績予測にも表れている。Dell TechnologiesとHPがそれぞれ発表した第4四半期の利益と売上高の見通しは市場予想を下回り、それぞれ前年同期比1.7%減と0.2%減だった。その影響もあり、11月下旬には両者の株価が下落している。
後編はAI PCの販売が伸び始めるタイミングを探る。
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