うっかりミスは起こるものであり、残念ながらテクノロジーはそのミスを増幅させることがある。
広告代理店のHR(ヒューマンリソース)がレイオフを予定しているという情報を、同社幹部がうっかり全従業員に電子メールで流してしまったという話題が飛び交ったことがある。これはうっかりミスがとてつもない痛手につながりかねないことを示す好例だ。同時に、ITであらゆる問題を解決したりミスを防いだりすることはできないことを示す好例でもある。
それで思い出すのはコンピュータが仕事に使われ始めた初期のころのこと。スペルチェック機能で見落としがあると、なぜテクノロジーに欠陥があるのかと尋ねられたものだ。実際、われわれはテクノロジーを頼ることに慣れ切って、間違いを見つけるために文書を読み直すこともやめてしまった。
だがこれはITの問題ではなく、この種のミスの防止をITに求めるべきではない。実際問題として、自分たちが単純に注意深くなるしかないというケースが多数ある。例えばコピー機に文書を置き忘れるとか、FAX送信の番号を間違えるといったことだ。そのいずれも、必ずしも技術的な問題とは見なされない。ミスは起こるものであり、残念ながらテクノロジーはそのミスを増幅させることがある。しかもその速度は書類を置き忘れるよりもはるかに速い。
この問題を技術で解決する方法はあるだろうか。多分あるのかもしれないが、わたしは懐疑的だ。これまでに幾つかの解決策を耳にしたが、まだ欠陥がある。結局は人間の問題に帰着するようだ。企業幹部は重要なメールを作成する際、極めて慎重にならなければならない。送信ボタンを押す前に、送信先アドレスをダブルチェック、トリプルチェックする必要がある。HRで起きたようなミスを防ぐ最善の方法はそのような教訓を学ぶことであり、テクノロジーを使うときはよく考えて慎重になるよう、ユーザーに教えることだ。これは痛い目に遭って学ぶ厳しい教訓なのだ。
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