データストレージ分野における重要だがよく理解されていない技術、シンプロビジョニングについて、その概要と経済的影響、仕組みを紹介する。
システム管理者は一般に、各種のアプリケーション用に必要以上の容量のストレージを用意する。ストレージ需要の拡大を見越してのことだ。あるアプリケーションが実際に持っているデータが100Gバイトだとしても、システム管理者はデータの増大に備えて500Gバイトのボリュームを作成する。ボリュームが作成されると、この500Gバイトはそのアプリケーションにのみ割り当てられ、ほかのアプリケーションで使うことはできない。だが多くの場合、500Gバイトがフルに活用されることはなく、基本的に無駄な使い方になってしまう。これはストレージ容量管理の大きな問題だ。
従来のストレージプロビジョニングの効率の低さは、資本コストとストレージ管理リソースに悪影響を与える。最も明らかな問題は、ストレージの一部が使われず、そのためにTCO(総所有コスト)が増大することだ。しかも、割り当てられているのに使用されないこうしたストレージ容量は、ほかのアプリケーションに転用できないため、環境の拡大に合わせてストレージ容量の拡張に投資しなければならない。そのせいでコストがさらに膨らむことになる。
シンプロビジョニングによって、こうしたストレージ容量の無駄を省き、コストを節減することができる。
データストレージ分野における重要だがよく理解されていないことが多い技術進化の1つとして、シンプロビジョニングがある。その概要と経済的影響、仕組みを紹介する。
システム管理者は一般に、各種のアプリケーション用に必要以上の容量のストレージを用意する。ストレージ需要の拡大を見越してのことだ。あるアプリケーションが実際に持っているデータが100Gバイトだとしても、何らかの分析やビジネス部門からの要望を基に、システム管理者はデータの増大に備えて500Gバイトのボリュームを作成する。ボリュームが作成されると、この500Gバイトはそのアプリケーションにのみ割り当てられ、ほかのアプリケーションで使うことはできない。だが多くの場合、500Gバイトがフルに活用されることはなく、基本的に無駄な使い方になってしまう。これはストレージ容量管理の大きな問題だ。
従来のストレージプロビジョニングの効率の低さは、資本コストとストレージ管理リソースに悪影響を与える。最も明らかな問題は、ストレージの一部が使われず、そのためにTCO(総所有コスト)が増大することだ。しかも、割り当てられているのに使用されないこうしたストレージ容量は、ほかのアプリケーションに転用できないため、環境の拡大に合わせてストレージ容量の拡張に投資しなければならない。そのせいでコストがさらに膨らむことになる。ある時点で、まったく新しいストレージシステムを買い足す必要に迫られるかもしれない。調査会社エンタープライズストラテジーグループ(ESG)は2005年6月、20社の顧客を対象に、従来のストレージプロビジョニング方法の限界に焦点を当てた緊急調査を行った。主な調査結果を以下に示す。
最近注目されているシンプロビジョニングは、ストレージ容量をジャストインタイム方式で必要なときに必要なだけ提供するもので、割り当てられているのに使われない無駄なストレージ容量をなくすことに主眼がある。また、シンプロビジョニングはストレージのプロビジョニング作業を大幅に簡素化し、管理コストを低減する。企業はストレージシステムの初期容量および費用の設定、長期的な容量拡張計画と予算立案、そしてTCOの見積もりを行う際、シンプロビジョニングをサポートするストレージシステムと、サポートしないものとの違いを念頭に置くべきだ。
シンプロビジョニングは経済的に大きなインパクトがあり、環境の規模に応じて、文字どおり数千ドルから数万ドル、場合によっては数十万ドルものコスト削減を実現する。
以下のように、企業はシンプロビジョニングによってコストを節減できる。
従来のストレージプロビジョニング方法では、企業はあらかじめ余分にストレージを購入するしかなかった。だが、シンプロビジョニングではその必要はない。容量を前もって割り当てずに済むからだ。例えば、従来のプロビジョニングの限界のために、これまでは10Tバイトのストレージを購入しなければならなかった企業は、より効率的なシンプロビジョニングを採用すれば、2.5Tバイトや5Tバイトのストレージを購入すれば済む。
従来のプロビジョニング方法は効率が悪いため、企業は多くのストレージ容量を使わずに無駄にしている。ストレージの無駄によるコストの浪費は、シンプロビジョニングによってなくすことができる。
どのストレージシステムも、サポートできるストレージ容量には限りがある。ストレージシステムの使用容量が最適な水準に達している場合には、企業はストレージシステムを増設しなければならないかもしれない。だが、ストレージの使い方に無駄があるためにまったく新しいストレージシステムを購入するのは、極めて不経済だ。
前述のようにシンプロビジョニングでは、ストレージ容量をボリュームごとに固定的に割り当てる必要がないことから、企業はより多数のボリュームを作成できる。そのため、1つのストレージシステムに接続できるサーバが増え、ストレージを削減できる。こうしたストレージの統合は、ストレージを活用する上で重要な取り組みであり、シンプロビジョニングは、より大規模な統合を可能にする。
本稿筆者のトニー・アサロ氏は、エンタープライズストラテジーグループのシニアアナリスト。
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