ダウンロードするソフトウェアを管理していない企業にとって、オープンソースは危険な代物だ。しかし、野放しの状態から脱却して管理を進め、ガバナンスの構築を目指そうとすると、支援ツールが少ないというまったく別の問題にぶつかることになる。
企業内でさまざまなオープンソース製品を使うことには、リスク(法的リスクを含む)が伴う。だが、ベンダーもユーザーも、こうしたリスクを無視していることが多い。問題の1つは、ベンダーの側に、オープンソース技術を管理するための製品を開発する動機がほとんどないことだと、フォレスターリサーチのシニアアナリスト、マイケル・グールド氏は語る。
「オープンソースは普及が進んでいるが、既存のソフトウェアに取って代わってはいない」とグールド氏。「利用シェアはごく小さいため、管理ツールの市場機会もあまりない。オープンソースはまだメジャーな存在とは言えない」
とはいえ、管理製品がまったく提供されていないわけではない。451グループのリサーチディレクター、レイブン・ザカリー氏は、「一部の企業はオープンソース利用のサポートを提供したり、独自の品質検証に合格したオープンソース技術を集めたリポジトリを運営している。彼らは、オープンソース製品のポートフォリオを管理できる企業向けツールを開発、提供することにビジネスチャンスを見いだしている」と語る。
同氏はその例として、オープンロジックとその製品「OpenLogic Enterprise」や、ソースラボとその新システム「Open Source Management System」(OSMS)を挙げる。これらのベンダーは、問題のあるオープンソース製品を特定するだけでなく、社内でどのオープンソース製品がどのように使われているかという追跡を支援する、基本的なガバナンス機能とワークフロー機能を提供している。
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