アンケート回答者の感性まで分析――SPSSがドラッグ&ドロップ操作のテキストマイニングツールNEWS

書き手の心情を自動判断できる解析エンジンを採用。アンケートの自由回答に書かれた内容から回答者の態度や行動に関する洞察が得られるという。

2008年11月14日 09時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 エス・ピー・エス・エス(SPSS Japan)は11月13日、テキストマイニングツールの新版「SPSS Text Analysis for Surveys 3.0」(以下、SPSS TAS)を発表した。12月から出荷を開始する。

 SPSS TASは、プログラミングやデータ分析の知識を必要とせずに、ドラッグ&ドロップ形式でテキストマイニングを実行できるソフトウェア。企業や教育・行政機関などの分析担当者が行っている、アンケートの自由回答データのコード化や視覚化作業を簡素化し、作業時間の短縮と作業負荷の軽減を図ることで担当者の意思決定を支援する。また、分類された回答データをほかのデータと突き合わせて定量的に評価することもできる。

 SPSS TASは、マーケティングリサーチや学術調査などのアンケートの自由回答から、主要なコンセプトを抽出して分類、非構造データや定性データを構造データや定量データに変換する。ODBC対応データベースやMicrosoft Office Excel、同社の統計解析ツール「SPSS Statistics」など、複数のデータソースからインポートすることができ、SPSS Statisticsや同社のサーベイ総合プラットフォーム「Dimensions」との連携も可能。さらに、一度作成した分類データをSPSS StatisticsやExcelにエクスポートすることもできる。

 テキスト解析処理には、NTTデータがOEM提供する日本語解析エンジン「なずきエモーションアナライザライブラリ」を使用。テキストの表現から書き手の心理状態や感性を自動判断することで、回答者の思考や行動に関する洞察を得ることができるという。さらに、手動による分類の細分化や、作成した分類・コードの再利用も可能で、一貫性のある分析結果を得ることができる。同社では、手作業でコーディングを行った場合に起きやすい恣意(しい)性や主観性などを最小限に抑えられるとしている。

 システム要件として、OSはMicrosoft Windows XP/Vista、CPUはIntel Pentium(3.0GHz)以降、1Gバイト以上のRAM、600MバイトのHDD空き容量が推奨されている。

 販売価格は対象データの量によって変動するが、一般向けが42万円、教育機関向けが11万円から(いずれも税別)。技術支援やアップグレードサービスを含めた保守サービスも用意されている。初年度2億円の売り上げを目指す。

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