クラウドコンピューティング利用の際は、ネットワークがボトルネックにならないよう注意する必要がある。社内システムのクラウド化で浮いたコストが、すべてネットワークコストに食いつぶされることもあり得る。
クラウドコンピューティングは現在、ITの中で最も注目されているテーマの1つだ。クラウドコンピューティングとは、データセンター機能とリソースを、ネットワーク接続を介して外部にアウトソーシングすることをいう。ITニーズがさまざまに変化する多くの企業にとってクラウドコンピューティングは、社内で多額の経費を掛けて余分なコンピューティングパワーを維持管理する代替となり得る。課題は、浮いた経費がすべてネットワーク経費に食いつぶされないよう気を配ることかもしれない。
コンピューティングの「典型的な」用途などというものは存在しない。企業がITを使う目的は、トランザクション処理、Web販売、顧客サポート、データ分析とマイニング、法令順守リポートなど極めて多種多様だ。こうしたアプリケーションをクラウドコンピューティングでホスティングする場合、クラウドリソースを会社のデータセンターリソースに接続してデータにアクセスできるようにする必要がある。さらに、クラウドにあるアプリケーションにユーザーがアクセスできるようにすることも必要だ。これがネットワークにどのような影響を与えるかは、3つの重要な側面に懸かっている。
まずはソースデータの側面だ。クラウドで実行するアプリケーションにはデータが要る。そして、それをどこから取得するかは、クラウドコンピューティングのコストとパフォーマンスにネットワークが与える影響という意味では、最も重要な要素となる。アプリケーションに大量のデータ(1つあるいは複数の大規模データベースなど)がかかわる場合、データに高速かつ安定してアクセスできなければ、アプリケーションの実行時間がかかり過ぎる。そこで、データをクラウドに置くか(その場合はコストとプライバシーの不安が生じるかもしれない)、超高速のネットワークと高いQoS(Quality of Service)を確保してクラウドへの接続をサポートする必要がある。
必ず考慮しなければならない2つ目の側面として、ソースデータの更新とバックアップがある。アプリケーションのソースデータが高度に動的な場合、あるいはバックアップを取ったり社内の別のデータと同期を取る必要がある場合、クラウドのデータリソースと会社のデータリソースの間の連携は極めて効率的でなければならない。データが静的であれば、データのメンテナンスのためにネットワークにそれほど厳しい条件を求める必要はなく、会社のネットワークにほとんど影響を与えないこともある。
3番目の側面はアクセスの分散だ。複数の国にまたがる多数の拠点からアプリケーションにアクセスする場合、アクセスの大部分は恐らくインターネットまたはインターネットVPN経由になるだろう。自社の施設からのアクセスが中心になるのなら、クラウドコンピューティングのリソースを会社のネットワークに接続することが必要になるだろう。
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