CIOからのアドバイス──リモートサイトの災害復旧計画を策定するにはディザスタリカバリはリモートサイトのコントロールが鍵

ただでさえなかなか目の届かないリモートサイトで、バックアップ/リストアの体制をきちんと敷き、ディザスタリカバリの仕組みを構築するにはどうすればいいのか?

2009年06月11日 08時00分 公開
[Niel Nickolaisen,TechTarget]

 わたしはいつの日か、自社のITを完全に支配する慈悲深い独裁者になりたいと願っている。確かにわたしは現在、IT部門の責任者ではあるが、ITを完全に支配しているわけではない。わたしの会社ではITがリモートサイトに分散するのに伴い、ITに対するわたしのコントロールが次第に低下しているのだ。リモートサイトで使用する機器を指定することはできるが、従業員がその機器で何をするのかをコントロールすることはできない。リモートサイトでITを利用するプロセスと手法を指示することはできるが、実際に何をしているのか監視することはできない。このことは、リモートサイトのディザスタリカバリおよび事業継続計画にも影響する。

 例えば、あるリモートサイトの従業員(カールという名前だ)は、自分のことをITの達人だと勘違いしている。このため、このサイトでIT部門のサポートが必要な事態が発生しても、サービスデスクに電話がかかってこない。従業員たちはカールを呼ぶのだ。カールは“得意技”を発揮してサイトをシャットダウンさせてしまう。それからサービスデスクを呼び出し、助けを求めるのだ。わたしがいくら言い聞かせても、リモートサイトは最初にわれわれに連絡してこないのだ。もしわたしがITを完全に支配しているのであれば、慈悲深き独裁者としての権利を行使し、カールをさらし台の刑に処するのだが……。

 ディザスタリカバリと事業継続は、わたしにとってリモートサイトの泣き所だ。現実を直視すれば、自社のプライマリデータセンターでさえもバックアップ/リストアの管理に苦労しているのに、リモートサイトの従業員がそれに対処できるはずがない。このため、ディザスタリカバリ・事業継続プロセスをできる限り単純化・簡素化して彼らに指示する必要があるのだ。

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