無秩序に増える社内のクライアントPCの管理が大きな課題となっている。中堅・中小企業が抱えるPC管理の現状と課題、そしてPC資産管理ツールの選び方など、専門家の意見を交えながら考える。
2008年終盤から続く経済不況がいまだ底打ちを見せない中、国内の中堅・中小企業(以下、SMB)のIT投資は2008年に比べて大幅な減少傾向にあるという。しかし、無秩序に増えた社内のクライアントPCの管理が今、大きな課題となりつつある。SMBが抱えるクライアントPCの管理の現状と課題とはどのようなものなのか。
調査会社のノークリサーチが2009年2月に行った、年商5億〜500億円規模のSMBに対するクライアントPCの管理上の課題に関する調査によると、「トラブル時の対応」(49.5%)、「クライアントPCのセキュリティ確保」(45.7%)、「クライアントPCに格納されたデータの保全」(40.6%)がトップ3となった(いずれも複数回答による結果)。
HDD・アプリケーションの不具合やファイル交換システムによる情報漏えい、操作ミスによるデータの破壊といった問題は常に上位となるが、近年増えているのが次の4位にランクした「クライアントPCの資産管理作業の複雑化と増大」(34.0%)だという。セキュリティを維持するためには、ウイルス対策ソフトを適用している端末は現在何台で、ライセンス状況はどうなっているのか、不適切なアプリケーションをインストールしていないかどうかなどを末端まで把握しなければならず、PCの資産管理の必要性が高まっている。
SMBの取り組み状況について、「セキュリティ強化もPC管理も課題と感じているが、施策としての優先度は低くなってしまっている企業が多い」と分析するのは、ノークリサーチのシニアアナリストである岩上由高氏だ。同社が実施した「2009年度版 中堅・中小企業のサーバ/クライアント管理実態と展望」の調査結果によると、500台以上の端末を有する企業において「クライアントPC管理の予算を確保し、既に管理している」とする割合は大幅に増える一方、500台未満の企業では管理の遅れが見受けられる。
何事も予算には優先度があるものだが、岩上氏によると500台未満の企業の経営層はクライアントPCよりもサーバの保全に予算を割く傾向があるという。また、500台を境にPC資産管理の優先度が変わることについては「500台以下の企業では、管理者が兼務だったり情報システム部門が組織化されていなかったりする傾向がある。そのため、現場の管理担当者の危機感は強いものの、経営層の理解とに大きなギャップがあり、優先度が低められていると推測される」と同氏は話す。その層はITのアウトソーシング化率も低く、管理者の負担は一層高まる。
不況で管理の人手は増えない。その上、管理ツールなどの導入にも後ろ向きで自動化が遅れ、手作業による管理負担とともにリスクも増大するという企業の状況が見えてくる。
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