地方公共団体専用のネットワークを活用したASPサービスで提供。総務省報告書類の決算統計データを利用することから、TKC以外の財務会計システムを導入している団体でも利用可能だという。
TKCは3月2日、総務省方式改訂モデル(新地方公会計制度)に対応した財務書類作成システム「TKC行政ASP/かんたん財務書類システム(仮称)」を7月より提供開始すると発表した。
地方公共団体専用のネットワーク「LGWAN」を活用したASPサービスで提供されるため、LGWANに接続できる環境があればどこでも利用可能。運用・保守に掛かる費用・作業負荷を軽減できるという。また、総務省報告書類の決算統計データを利用することから、TKC以外の財務会計システムを導入している団体でも利用できる。
決算統計データなどは、ボタン1つでシステムへ取り込まれる。入力されたデータは関連する項目へ自動的に反映され、表内・表間チェック作業が不要。財政、各会計、外郭団体など、複数部門の担当者が同時進行でデータ入力でき、財政主管課では、専用画面から進ちょく状況を確認できる。
現在、地方公共団体では、総務省の「新地方公会計制度研究会」で示された「基準モデル」あるいは「総務省方式改訂モデル」に沿った発生主義・複式簿記の考え方を導入し、地方公共団体単体・関連団体を含む連結ベースでの財務諸表の整備が進められている。しかし、多くの市区町村では、従来公会計制度の決算統計データを基準に新制度に合わせた財務諸表を作成する「総務省方式改訂モデル」を採用していることから、総務省提供の作業用ワークシートへデータ転記する必要があるなど、作業の煩雑さが指摘されていたという。
そこで同社では、会計とASPサービスの経験を生かし、決算統計データを取り込むだけで、普通会計の財務書類と市町村単体/連結の財務書類が作成できるTKC行政ASP/かんたん財務書類システムを開発。財務書類の改訂や決算統計改訂など、毎年の年度改正へ万全に対応するとしている。今後は経年比較・他団体比較など、財務データの分析機能が搭載される予定。
利用料は年間30万円。全国の市区町村に向け、初年度(平成21年度決算)100団体への販売を目指す。
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