ソニックウォールは、同社初となる仮想化環境に対応するセキュリティアプライアンスを国内で販売すると発表。サポート体制の強化に努める意向も示した。
中堅・中小企業向けにセキュリティアプライアンスを販売するソニックウォールは3月10日に記者説明会を開催、同社として新しい分野の製品を日本市場に投入することを発表した。
新製品の1つは、VMwareによる仮想化サーバ上で稼働する「仮想アプライアンス」。ソニックウォール製アプライアンスの監視・ポリシー管理や各種リポーティングなどを行う。LinuxベースのカスタムOS上で動作する同社のソフトウェアアプライアンス「Universal Management Appliance(UMA)」の機能を仮想化環境に対応させた。米国では発表済みで、国内には2010年第3四半期(7〜9月)中にリリースする予定としている。
もう1つの新製品は、大規模サイト向けのWebアプリケーションファイアウォール(WAF)専用アプライアンス「SonicWALL NSA E8500」。16コアCPUを搭載、1100種類以上のアプリケーションのトラフィックを検出・制御し、WAF稼働時に2.0Gbpsのスループットを出しながらIPS(不正侵入防御システム)を同時稼働できるなど、高い実行性能が売り。国内には第2〜第3四半期中にリリース予定だ。
来日した米SonicWALL ワールドワイドセールス担当のマービン・ブラフ氏は「2010年は、ソーシャルメディアの拡大や仮想化・クラウドコンピューティングの進展などによる脅威ポイントの分散化が、IT部門にとってセキュリティの大きな課題になる」と指摘する。そのため同社は、2009年に「SonicGRID」と呼ばれる分散型の脅威情報共有ネットワークを構築した。SonicGRIDは、全世界で150万社という各ソニックウォール製品のユーザーからマルウェアなどの脅威についての統計情報を収集し、同社のリサーチラボがその情報を基にシグネチャ(定義情報)を随時更新・配信する仕組み。これによって、さまざまな場所(デバイス)、アプリケーションにおける未知の脆弱性にも常時対応できるようになるという。一度に配信するシグネチャの数は少ないが、「単一の定義ファイルでスパムからSQLインジェクションまで、複数の脅威対策をカバーできることが強み」(同社)
2010年は国内のサポート体制にも注力するという。3月4日にはSIerのNECネッツエスアイと顧客サポートに関してパートナー契約を結び、問い合わせへの平均応答時間を大幅に改善した。また、技術者認定プログラム(CSSA:Certified SonicWALL Security Administrator)を日本向けにローカライズして、技術サポートの質を向上させるなどの取り組みも継続的に実施する。認定技術者を国内で50人以上育成する計画だという。
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