誤送信対策製品紹介:キヤノンITソリューションズ編
メールのうっかり誤送信を多方面から防ぐ「GUARDIAN CorrectMail」
電子メールは業務上欠かすことのできないツールであると同時に、誤送信というヒューマンエラーが付きものだ。キヤノンITSは、再確認を徹底させ社内一丸で誤送信を防止する仕組みを提供する。
電子メールを使用するビジネスマンであれば、一度は経験するであろう誤送信。「しまった!」と思い先方へ謝罪を入れるも、送ってしまったものはもう取り戻せない。場合によっては企業の情報漏えいという取り返しの付かない事態に発展してしまうことも――。
本連載では、誤送信を未然に防ぐ方法として、さまざまなアプローチを持つ製品・サービスを順に紹介していく。今回はキヤノンITソリューションズに、同社の電子メール誤送信対策システム「GUARDIAN CorrectMail」について、機能やコンセプトを聞いた。
遅延送信&確認の範囲を広げることで誤送信を防止
GUARDIAN CorrectMailは、送信したメールを一定時間遅延させる「遅延送信」により誤送信を防止する。遅延時間はユーザー側で5分、10分など自由に設定でき、その時間を経過したメールについては、自動で送信される。
「誤送信は、送信ボタンを押した瞬間に送信者本人が気付く場合がほとんど。よって基本機能として、送信ボタンを押すと即時にメールが送信されるのではなく、サーバ上で仮置き(一時保留)して誤送信メールが外部に配信されるのを防ぐ仕組みとした」(キヤノンITソリューションズ セキュリティソリューション事業部 新規プロダクト推進部営業課 近藤淳子氏)
とはいえ、送信者本人が誤りに気付かずにメールを送信している場合もある。そこで同社では、本人以外にも社内同報者および上長が確認できる仕組みを設けた。一時保留されたメールは、本人や社内同報者による確認のほか、上長の監査によって承認(送信)/削除いずれかの処理ができる。
GUARDIAN CorrectMailのコンセプトは「再確認を徹底させ、誤送信メールを水際(社内)で防ぐこと」。よって、GUARDIAN CorrectMailを(誤送信をした)犯人探しのツールとして使用するのではなく、誤送信に気付く人の範囲を広げることで、送信者本人に誤りを気付かせるとともに、企業全体で誤送信を防止するツールとして使用してほしいという。
自己チェック
メールの送信者は、GUARDIAN CorrectMailのポータル画面(Webブラウザ上)で自身が送信したメールの保留/送信状況や履歴を確認できる。「保留メール一覧」には、「送信日時」「宛先」「件名」「サイズ」のほか、独自のフィルタリング機能によって分類された“誤送信である可能性のある「リスク」のレベル(高・中・低のいずれか)”が表示される。
本人は送信したつもりでも、上長によって削除(却下)されている場合がある。そうした場合には履歴として保存される。また、保留せずに緊急でメールを即時配信したい場合には、保留状況の中から該当メールを開き、送信することもできる。
社内同報者によるチェック
あて先が外部のアドレスで、かつCcやBccに社内のアドレスが含まれている場合には、「社内あては5分間遅延させ、社外あては30分遅延させて送信」といった設定ができる(時間はユーザー側で任意に設定可能)。このようにメールを送信するか/しないか、何分遅延させるかだけでなく、あて先別に遅延時間を個別設定できる(時差)機能があるのもGUARDIAN CorrectMailの特徴だといえる。
万が一誤送信があった場合には、社内同報者の気付きによって社外に出る前に防ぐことができる。誤りを本人に知らせ、差し戻し作業は、送信者本人が行う。
上長によるチェック
上長には、送信者向けのポータル画面と同様の(管理者用)画面が用意されている。それにより、自身のグループ内メンバーが送信したメールの「送信日時」「送信者」「宛先」「件名」「サイズ」や送信予定時間、誤送信のリスクを確認。必要に応じて、削除/即時送信の判断をする。
上長が確認するメールは、企業側で事前に設定した誤送信の判定ルールに合致するものとなる。判定ルールは、主に「添付ファイルの有無」「メールサイズ」「あて先アドレスの数」「あて先アドレス条件」の4つで、例えばToに含まれるアドレスの数が何件以上であればチェック、To、Cc、Bcc関係なくあて先のアドレスが何件以上であればチェックなど、細かな設定が可能。さらにチェック内容の重要度によって、高・中・低という3段階のリスク判定ができる。
「業務内容によっては、Bccでプレスリリースを一斉配信するなど、責任を1人に任せるのは酷な場合もある。よってそうした重要な内容のメールを扱う際には、上長が承認しない限り、社外に送信できないような仕組みを設けることもできる。また、グループのメンバー数が多い上長だとメールチェックだけで時間を取られてしまい、業務効率を下げてしまう。判定ルールによってある程度メールを振り分けることで、無理なく効果的に使用してもらいたい」(キヤノンITソリューションズ セキュリティソリューション事業部 新規プロダクト推進部営業課 課長 松田耕治氏)
なお、ルール判定で使用されているフィルタリング機能の考え方は、同社のコンテンツフィルタリングソリューション「GUARDIANWALL」で使用されているフィルタリング機能の管理・運用方法を受け継いだものだ。ただ、GUARDIANWALLが電子メール経由の情報漏えいをどう制御・防ぐかという部分に同機能を使用しているのに対し、GUARDIAN CorrectMailは、送信者や上長などメールの確認者が必要なメールのみをチェックできるよう負荷軽減を目的に使用している点が異なるという。
「GUARDIAN CorrectMailはもともと、GUARDIANWALLのユーザーから誤送信防止に特化した製品が欲しいという要望から生まれた製品。よって、誤送信をいかにして防ぐかに着目し、その上で管理者にはなるべく負荷を掛けない運用ができる点に注力している」(松田氏)
メールの即時性とセキュリティのはざまで
今後の拡張点については現段階ではまだ検討中としたが、運用面でメリットがあるかどうかを基準に機能拡張をしていく予定だという。「GUARDIAN CorrectMailは、メールの即時性とセキュリティをどう高めるかのバランスを見極めながら拡張性を探っていきたい」(松田氏)
製品価格(税別)は50ユーザー版で17万5000円から。年間保守料2万6250円が別途必要となる。同社ではサーバ導入が不要なASP版も用意しており、こちらは初期費用が5万円、月額使用料が10アカウントの場合で2500円(1アカウント当たり250円)。最短2週間で導入できる。
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