米トライセラット、仮想環境における印刷トラブルを防ぐ製品の日本語版を発売NEWS

アプリケーション仮想化やデスクトップ仮想化環境下で多発しているという印刷トラブル。これを解決する製品「Screwdrivers」の日本語版が登場する。

2010年08月05日 09時00分 公開
[荒井亜子,TechTargetジャパン]

 米トライセラット(triCerat)は8月3日、仮想環境におけるプリンティングソリューション「Screwdrivers(スクリュー・ドライバーズ)」の日本語版を8月20日に発売すると発表した。同製品の販売代行、日本語化協力、国内でのバグ報告や仕様変更要求、各販売代理店へのサポートは販売代理店のエアーが行う。

 Screwdriversは、デスクトップ仮想化やアプリケーション仮想化など仮想環境における印刷トラブルを解決するためのツール。ネットワークを流れる印刷データが大きすぎて印刷に時間がかかる、そのためほかのアプリケーションの操作性が落ちるといった仮想システムにおける印刷トラブルを、ネットワーク帯域の制御と圧縮・解凍の処理を通じて解決する。また、サーバ側に自動的に仮想プリンタドライバを作成する「ドライバーフリープリンティング」製品であるため、ターミナルサーバなどにドライバをインストールする必要がなく、ユーザーごとに設定する手間を省ける。

画像 エアー インターネットソリューションズ事業部 事業部長 森 雅彦氏

 エアー インターネットソリューションズ事業部 事業部長 森 雅彦氏は、「印刷トラブルは仮想化システムの永遠の課題。仮想環境で印刷すると、ドライバの不具合や、印刷ボタンが表示されない、けい線が出力されないといったトラブルをよく耳にする。VDI環境でシンクライアントを利用することが増えている官公庁のような組織では、定型フォームで印刷できないと業務に大きく差し支える」と説明した。

 同社によると、Screwdriversの強みは印刷スピードだという。リモートPCからの印刷ではストリーミング技術を使い、全ページのデータが送られてくるのを待たなくても1ページ目のデータが送られた時点で印刷を開始する。また、シンクライアントの各プリンタで拡張機能が利用でき、ホチキス留めや印刷用紙のサイズ選択ができる。森氏は「これらは従来の仮想プリンティングソリューションではなかった機能」と述べる。

 販売価格は、Windows Terminal Server搭載の仮想アプリケーションサーバ向け製品では、Terminal Server1ラインセンス当たり32ビット版で19万8400円、64ビット版で27万7600円(それぞれ税別)。仮想デスクトップを利用するユーザー向け製品では、1ユーザー当たり9280円(税別)から。

 また同社は、Screwdriversと同時に、ユーザーの多種多様なプリンタおよびドライバを専用の管理コンソールで一元管理するソリューション「Simplify Printing(シンプリファイ・プリンティング)」の日本語版も8月20日に発売する。同製品は、TCP/IP通信をサポートするほか、Windows、Mac、UNIX、Linux用プリンタで利用可能。Active Directoryとの統合が可能なため、管理に際しアカウントごとにユーザー名を入力する必要がないといった特徴がある。同製品には、Screwdriversが含まれる。販売価格は、Windows Terminal Server搭載の仮想アプリケーションサーバ向け製品では、Terminal Server1ラインセンス当たり3ビット版で23万3600円、64ビット版で32万7200円(それぞれ税別)。仮想デスクトップを利用するユーザー向け製品では1ユーザー当たり1万1600円(税別)から。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

事例 レッドハット株式会社

コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行、米国防総省に学ぶIT運用最適化のヒント

従来型の仮想化プラットフォームへの過度な依存が原因で、柔軟性の低下や、モダナイゼーションの停滞といった問題に悩んでいた米国の国防総省。そこで採用されたのが、コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行できる統合プラットフォームだ。

製品資料 レッドハット株式会社

仮想マシンのクラウドシフトとクラウドネイティブ化がもたらす15のメリット

これまで仮想化技術は、システム運用の効率化やコストの最適化などさまざまなメリットをもたらしてきた。しかし現在、仮想化基盤は拡張性やアジリティなどのメリットを享受するためにクラウドシフトが求められている。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

稼働後3年も障害なし、NTTコミュニケーションズのデータ活用を支えるストレージ

データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。

製品資料 レッドハット株式会社

これまでの仮想化環境への投資を無駄にしない、クラウドネイティブ化の進め方

今日の仮想化分野では、低リスクで長期的に運用できるソリューションが模索されている。ポイントとなるのは、既存の仮想化環境を生かしつつ、クラウドネイティブアーキテクチャをスムーズに導入できる環境だ。その実現方法を紹介する。

製品資料 横河レンタ・リース株式会社

Windows 11への刷新はデータ移行が重荷、作業負荷を大幅に軽減する方法とは?

OSの移行には「データ移行」が付き物だが、その業務負荷の高さに悩まされているIT管理者は多いだろう。Windows 11への移行を進める前に知っておきたい、「データレスPC」の有効性や、導入で得られる“プラスα”のメリットを解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。