ITシステム自動管理ソフトウェアを提供するスイスのKaseyaが日本支社を設立した。9月にはモバイル端末管理用モジュールを提供予定。
スイスのソフトウェアベンダー、Kaseyaは8月4日、日本支社Kaseya Japanを6月20日に設立し、日本市場へ参入したと発表した。また、Kaseya Japan設立と同時に提供開始したIT運用管理ソリューション「Kaseya」にモバイル端末の管理モジュール「Kaseyaモバイル・デバイス・マネジメント」(以下、KMDM)を追加し、9月中に提供することも併せて発表した。
Kaseyaソリューションは、IT資産管理やウイルス/マルウェア対策、オンラインバックアップ、PCの遠隔保守、電源管理など、クライアント端末の運用管理に必要な機能をオールインワンで提供する。32カ国で1300万ライセンス以上の導入実績を持つ。
Kaseyaのエグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 北東アジア担当ゼネラル・マネージャー、ジョン・ファーギス氏は、従来のIT運用管理サービスが、クライアント端末に障害が発生した際、その連絡を受けてからの事後対応を効率化するのに対し、「Kaseyaソリューションは、故障による業務中断を発生させないように予防・予知に重点を置いている。また、運用管理を自動化する機能を提供し、管理者の運用コストを削減できる」と説明した。
Kaseyaソリューションでは、管理対象クライアントに専用エージェントをインストールし、管理サーバは30秒間隔でそのログを収集する。管理者はWebベースのコンソール画面でモニタリングする。エラー発生時にはエージェントがエラーを通知する。VPN(Virtual Private Network)機能を活用したインターネット経由で接続でき、企業内LANや外部拠点との通信も可能。また、修正プログラムやバックアップなどの障害対応を自動化するスクリプトのサンプルを3000種類用意しており、それらを利用することで日々の運用業務の負荷を軽減する。
Kaseya Japanの社長、北原信之氏は、日本での事業展開について「既に海外で多くの導入実績を持つ小売業や流通業、医療や教育分野などに注力しつつ、SIerやディストリビューターとともに、国内におけるマネージドサービス事業の拡大を目指す」と語った。
同社が同時に発表したKMDMは、Windows Mobile、BlackBerry、iPhone、Androidなどのモバイル端末における資産管理やメール設定、位置情報トラッキングや紛失・盗難時の対処などの運用管理を支援するツールだ。
Kaseyaソリューションの1ライセンス当たり月額利用料は150~500円(規模に応じて異なる)。現在、30日間無償で利用できるSaaS(Software as a Service)版のトライアルキャンペーンを10月末まで展開しており、その結果を踏まえて正式リリースを行う予定。
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