スマートデバイスの業務活用が話題、紙の電子化だけではない新たな活用方法を提示NEWS

国内企業で導入が進むスマートデバイスを業務にどのよう生かすべきか。スマートフォン&モバイルEXPOでは、スマートフォンの業務活用に関する展示が多く見られた。本稿は注目の展示を2点紹介する。

2012年05月17日 19時03分 公開
[和田良太,TechTargetジャパン]

 2012年5月9日〜11日に、スマートフォンなどのスマートデバイスに関する展示会「第2回 スマートフォン&モバイル EXPO[春] 」が東京ビッグサイトで開催された。スマートデバイスの業務活用といえば、これまでは紙のカタログの表示端末としての活用や単なる携帯電話の置き換えとしての利用が多かった。だが本イベントでは、東日本大震災を受けて見直しが進むBCP(業務継続計画)やコスト削減など、さまざまな課題の解決にスマートデバイスを生かそうと提案する展示が多かったのが印象的だ。

 本稿では、スマートフォン&モバイル EXPOに展示されていた、災害対応やコスト削減に一役買う注目のスマートデバイス向け製品/サービスの一部を紹介する。

リモート取材支援を「手のひら」で実現

 ジェイエムテクノロジーは、2012年5月9日に発表した「LocationSupporter(ロケサポ)」を展示した。ロケサポはフジテレビジョン(フジテレビ)と共同開発した、テレビ局本社と現場社員とのコミュニケーションを支援する製品だ。東日本大震災後、フジテレビなどのテレビ局では取材体制の見直しを進めており、現場社員の所在地確認や、本社と現場社員間における情報共有の必要性が高まっていた。

 ロケサポは、現場記者が持つスマートデバイスにクライアントアプリケーションをインストールして利用する。クライアントアプリケーションは、現場社員の位置情報を逐一本社に送信や、本社から現場社員へテキストを一括で送信する機能を持つ。位置情報の送信は現場記者が停止することができるが、管理者が必要と判断した場合は強制的に送信させることもできるという。

 さらに、テレビ局の本社スタジオからの映像や音声をスマートデバイスで受信する機能も搭載。スタジオの状況などを現場社員がリモートで把握することができる。テキストによるチャット機能も搭載し、現場社員間でテキストベースのコミュニケーションを行うことも可能だ。

写真 現場社員の現在地の把握や情報を送信する管理画面の動作イメージ

 フジテレビはスマートデバイスの導入と同時に、ロケサポの自社導入を進めている。ジェイエムテクノロジーは今後、ロケサポを他のテレビ局にも提供していきたいとしており、機能などはテレビ局のニーズに応じてカスタマイズするという。

iPhone/Androidが「持ち運べる」内線電話に変身

 アイルネットが展示していた「アイルネットコミュニケーションサーバ AGEPhone Businness」は、スマートフォンを会社の内線電話として利用可能にする製品だ。

 スマートフォンに導入するクライアントアプリケーションを無線LANや3G回線を使って専用のコミュニケーションサーバに接続することで、スマートフォンを内線電話として利用可能になる。コミュニケーションサーバはマシンの性能によるが、サーバ1台当たり100〜5000台のクライアント端末を接続させることができる。

写真 iPhone版のクライアントアプリ。他にAndroid版もリリースされている

 スマートフォンといえばSkypeやViberといったVoIPアプリケーションが既に台頭している。こうしたVoIPアプリケーションに対する本製品の優位点は、G.711コーデックという音声圧縮技術により、アナログ電話と同等の高品質な通話を実現したこと、アイルネットは説明している。

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