米Facebookが開発したエネルギー効率の良いハードウェア設計「Open Compute Project」はあらゆるタイプの企業に役立ちそうだ。
近年、エネルギー意識の高いIT部門の間では、省エネのために徐々に外気冷却に移行したり、設備に漸進的な変化を加えたりする動きが進んでいる。だが、いずれも期待しているほどの省エネ効果を達成できていないのが現状だ。
「確かに電力は難題だ。われわれはデータセンターの機器をできるだけ少なくするためのプロジェクトに毎年のように取り組んでいる」と語るのは、ある大手金融サービス会社で上級エンジニアを務めるチャーリー・ゴートロー氏だ。
同氏によると、この会社は電力効率向上のために既に2.5インチHDDのストレージアレイへの移行を進めており、電源装置の他、プロセッサやメモリは全て電力プロファイルに基づいて選んでいるという。「われわれはサーバの内部であれサーバ自体であれ、不要なコンポーネントは全て排除するという考え方を常に意識している」と同氏。
SNS大手のFacebookは2010年、オレゴン州プラインビルにデータセンターを建設した。Open Compute Projectはその後、「このデータセンターの電力使用効率(PUE:Power Usage Efficiency)を1.06にするために使われているサーバやラック、電源などの独自設計をオープンソース化する」という目的で発足したプロジェクトだ。米Uptime Instituteによると、データセンターのPUEの平均値は1.8だという。
サーバはFacebookが「Open Rack」と名付けたラックに差し込めるよう、1.5Uの高さになっている。Open Compute Projectには、ストレージサーバの他、管理ソフトウェア、マザーボード、サーバシャーシ、電源装置などの設計仕様が含まれており、各仕様はGitHubで公開されている。
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