Office 2013はWindows 8のリリースに間に合わない?Microsoftのリリース戦略が破綻か

Windows 8およびWindowsタブレットの競争力向上とビジネスiPadユーザーの取り込みの鍵になるとみられているOffice 2013。そのリリース時期が2013年になるという臆測が流れ始めている。

2012年08月10日 18時30分 公開
[James Furbush,TechTarget]

 「Microsoft Office 2013」は、アプリケーションの配布方式とその利用形態が従来版と異なる。クラウド時代に対応した先端機能が盛り込まれるのだ。しかし米MicrosoftがOfficeのリリースに手間取るようなことがあれば、競合製品を退けるのは難しくなりそうだ。

 Office 2013(コードネーム「Office 15」)では、簡素化されたユーザーインタフェース、機能の追加、Windows 8のタッチ機能サポートといった改善が盛り込まれるが、従来版との最大の違いは、ソーシャルコラボレーションとクラウドコンピューティングが果たす役割だ。

 Microsoftは、自社のクラウドストレージとファイル同期用のアプリケーションであるSkyDriveをOffice 2013に「必須の要素」として位置付けている。Office 2013では、ドキュメントと各種設定をクラウドに保存することができ、各アプリケーションはWindows 7およびWindows 8のデスクトップにストリーム配信される。

 「全体的には大きな変更はないが、SkyDriveとの連係は素晴らしい機能だ」と話すのは、米不動産調査会社United One Resourcesのネットワーク管理者、ジェフ・ナパースキー氏だ。

 「電子メール、ドキュメント、その他のOffice関連データがクラウドベースのOffice製品に一元化されれば、従業員は会社のVPNにログインしなくても、ほとんど全ての業務をこなすことができる」と同氏は期待する。

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは2012年7月16日(米国時間)に開催された製品発表会で、「Office 2013は『Office as a Service』の実現に向けた最初の一歩である」と述べた。この移行の一環として、Office 2013の採用を促すためのプロダクティビティアプリケーションとして、Officeのクラウド版であるOffice 365を全面的に推進するという。同発表会では、Officeのローカルインストール版のリリースについて、ほとんど言及がなかった。ローカルインストール版は今後も提供される予定だが、「軽量版」のみの販売となる。

Office 2013+Windows 8――最強の組み合わせ?

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...