事故による死者をいかに減らすか。米航空宇宙局(NASA)は、旅客機の運航で得たさまざまなデータを生かし、空の安全性を高めようと知恵を絞る。その取り組みを追った。
空の旅でストレスがたまるのは、旅客機のほとんどの乗客に共通した傾向だ。座席は窮屈で、機内食の選択肢は乏しく、長い行列に並ばねばならない。そして待たされたり急かされたりしながら、預けた荷物が無事に手元に戻るかどうかを心配する。
乗客は、主要空港の出発ロビーに到着した時点で、こうした体験を予期している。だが搭乗する便から生み出されるデータの量に加え、データがどう収集され、マイニングされ、分析されて空の安全性向上に役立てられているかについては、意識していないだろう。こうしたデータの大部分は構造化されているが、最も重要な飛行データの一部は、報告書、または録音された音声や警告信号を通じて生成され、テキスト形式で存在する。
米航空宇宙局(NASA)のデータサイエンス担当主席研究員で、System-Wide Safety and Assurance Technologies(SSAT)プロジェクト責任者のアショク・スリバスタバ氏は、「米国の領空域が非常に安全であることは公然の事実だ」と解説する。その裏付けとして、1959年から2006年にかけての年間死亡事故発生率が、過去50年で着実に減っているというデータを示す。「問題は、特に便数が増えている中で、どうすれば安全性を強化できるかだ」と同氏は続ける。
スリバスタバ氏は、2012年初夏に開かれた年次イベント、「第8回テキスト分析サミット(Text Analytics Summit)」で講演。経済状況にもよるが、便数は今後も最大で年に2~3%増える可能性があると報告した。米運輸省の運輸統計局がまとめた報告によると、米国や海外の航空会社が米国内で運航する商用便は、2011年だけで1000万に達する。年間の便数は、2%増えれば数万便増えることになり、空港管制に影響が出ることは避けられない。
「商用便が増加するという前提で考えると、もし安全性を強化する方法を見つけることができれば、事故発生率の低さを維持できる。NASAなどは現在、この大きな課題に取り組んでいる。全ては、リスクを事前に管理したいという考えに尽きる」と同氏は話す。
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